ブリンケン米国務長官は、中国による人工知能(AI)の軍事利用を強く批判し、国際社会に対しAIの軍事応用に関するルール策定を呼びかけた。この発言は、米中両国が先端技術を巡る覇権争いを激化させる中で行われた。
中国のAI軍事利用への懸念
ブリンケン長官は、ワシントンで行われた講演で、中国がAIを軍事目的で利用していると指摘。「中国はAIを軍事力の強化に活用しており、これは国際的な安定に対する脅威だ」と述べた。同長官は、中国が自律型兵器システムやサイバー戦争にAIを応用している可能性に言及し、透明性の欠如を非難した。
米国務省の報告書によると、中国は2025年までにAI分野で世界をリードする目標を掲げており、軍事研究への投資を拡大している。これに対し、米国はAIの倫理的な利用を推進するための国際的な枠組み作りを主導している。
国際ルール策定の必要性
ブリンケン長官は、「AIの軍事利用が制御不能になる前に、国際社会が共通のルールを策定すべきだ」と強調。具体的には、自律型兵器の開発制限や、AIの使用における責任の明確化が必要だと述べた。また、米国は国連やNATOなどの国際機関を通じて、AIに関する規範の構築を進める方針を示した。
専門家の間では、AIの軍事利用が新たな軍拡競争を引き起こすとの懸念が広がっている。スタンフォード大学のAI安全保障研究センターは、「AI兵器の開発競争が加速すれば、偶発的な衝突や誤算のリスクが高まる」と警告している。
米中対立の深化
米中両国は、AIだけでなく半導体や量子コンピューティングなどの先端技術分野でも激しく競合している。バイデン政権は、中国への技術移転を制限する輸出規制を強化しており、中国は自国技術の開発を加速させている。
中国外務省は、ブリンケン長官の発言に対し、「中国はAIの平和的な利用を推進しており、軍事利用に関する根拠のない非難は受け入れられない」と反論。両国の立場の隔たりは大きく、国際的な合意形成は容易ではないとみられる。
ブリンケン長官は最後に、「AIの未来は我々の手にある。責任ある利用を確保するために、今すぐ行動すべきだ」と訴えた。



