筑波大、AIでサッカー戦況分析システムを開発 特許出願
筑波大、AIサッカー戦況分析システムを開発

筑波大学は、人工知能(AI)を活用してサッカーの戦況を分析するシステムを開発し、特許を出願した。従来はコーチの経験に頼っていたが、データに基づいて客観的に選手の戦術的貢献を把握できるようになる。今年から同大学蹴球部で使用を開始し、国内外のプロチームへの導入を提案していく。

システムの仕組みと特徴

このシステムは、福井和広教授(62)と、蹴球部をデータ分析で支援する修士1年の中村悠紀さん(22)が開発した。AIが試合映像から選手11人の動きを数値化し、陣形変化の大きさや速さを折れ線グラフや棒グラフで表示する。これにより、試合全体の中で重要な陣形変化がいつ発生したかを把握できる。

例えば、グラフが大きく変化した時間帯に注目して映像を確認すると、崩れた陣形を整えて守備に徹する場面や、陣形を崩しながら攻撃に転じる場面が明らかになる。また、システムは上から見た選手の動きを再現した画面も備え、陣形への影響を色で表示。影響の大きい選手は濃い赤色で示され、陣形を崩してプレスをかけるなど、重要な変化を引き起こした選手を特定できる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

従来の分析手法との違い

従来のサッカー分析用AIは個人のプレー評価が中心で、「攻撃中か守備中か」といった試合状況の分析は難しかった。そのため、コーチの目と経験に頼る分析が主流だったが、主観的な側面は避けられず、目立たないながら戦術的に重要な動きをする選手を見逃すことが多かった。

筑波大蹴球部では対戦相手を分析する専門班があり、相手の試合映像を視聴して重要なシーンを抽出し、選手に分析結果を伝えている。1チームあたり5試合の映像からミーティングで説明するシーンを選ぶ作業には約30時間を要していた。新システムはこの作業時間を半減できるという。

現場の反応と今後の展望

中村さんは「より見やすい映像編集や、相手選手の特徴や心理を踏まえた人間の判断に時間を割ける」と手応えを語った。蹴球部の小井土正亮監督は「今の選手は他人の感覚的な根拠では動かない。システムは監督やコーチの指示を裏付けることにもなり、非常に心強い」と評価した。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ