大正製薬が生成AI「Gemini」で育毛剤マーケティングを革新、試行から実施まで1日に短縮
大正製薬がGeminiで育毛剤マーケを革新、1日に短縮

大正製薬は、発毛・育毛剤ブランド「リアップ」のマーケティングプロセスに、Googleの生成AIサービス「Gemini」を活用した。この取り組みにより、従来約2カ月を要していた一連のプロセスを1日で完了し、施策実施後には前年同月比で店頭売り上げが6%、自社ECの売り上げが39%増加する成果を上げた。

機能別組織の課題と新たな試み

大正製薬は機能別組織を採用しており、マーケティング本部の下に「ブランドマネジメント部」「ブランドコミュニケーション部」「メディア推進部」「マーケティング企画部」の4部署が存在し、約60人が所属する。各部署ではブランドごとに担当が分かれ、目標もブランド別に設定されている。そのため、マトリクス組織の側面もあるが、組織構造自体は機能別であることから、セクショナリズムが発生し、視野が狭くなるといった機能別組織の弱点も見え隠れしていた。

「本来ならブランド単位で目標達成にコミットすべきであるのに、マーケティングプロセスに応じて組織が分断されていると、どうしても自分の担当領域に閉じた部分最適な発想になりがち。個人の意識改革だけに依存するには限界を感じていた」と、マーケティング本部 ブランドコミュニケーション部長の鷹羽小弥太氏は話す。

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3社共同プロジェクトとGeminiの活用方法

この課題を打破するため、大正製薬、電通、Googleの3社が共同プロジェクトを実施した。大正製薬からはマーケティング本部の4部署に加え、営業など関連部署の担当者が参加。さらに電通の営業やクリエイティブディレクター、GoogleのGemini担当者など、リアップに関わる約20人が集まり、顧客分析からコンセプトやクリエイティブ方針の策定、メディアプランニングまでを一連のプロセスとして進めた。

このプロジェクトの特徴はGeminiの使い方にある。関係者全員が1つの会議室に集まり、大画面に映し出されたGeminiの画面を見ながら議論する。そこで上がった意見を基に、モデレーターがその場でプロンプトを打ち、Geminiの回答を受けて議論を深めていく。

「従来であれば、代理店の提案を社内に持ち帰り、検討を重ねて稟議を通し、実行のGOサインを出すまでに、2カ月ほどの時間を要していた。しかし、関係者全員が同じ情報を共有しながらプロセスを進められたことで、意思決定にかかっていた期間を1日にまで短縮できた。伝言ゲームをしていた頃にはなかった、皆が納得感を持って次のアクションに移れる価値は、計り知れない」(鷹羽氏)

具体的な成果と今後の展望

この試みにより、従来は約2カ月を要していた一連のプロセスを1日で進められるようになった。施策実施後には、前年同月比で店頭売り上げが6%増、自社ECの売り上げが39%増加した。大正製薬は、生成AIを組織横断の議論や意思決定に活用する方法として、リアップの事例を基にさらなる展開を検討している。

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