精神科医の益田裕介氏は、博報堂メディア環境研究所の山本泰士所長との対談で、AIに騙されやすい人の特徴とAI依存がもたらす感情劣化について警告した。効率やタイパ(タイムパフォーマンス)を追い求める行動が、致命的な感情劣化につながるという。
AIは道具、快適さだけを追うな
山本氏は「あえて不快な身体的行為を共有することがパーソナリティ機能の向上につながる」と指摘。これに対し益田氏は「そもそも不快なものはなくなりませんし、あくまでAIは道具です。AIによってまったく新しい社会ができるわけではなくて、今までの人類の延長線上でしかありませんから」と述べた。
益田氏はさらに「AIを使えば高速でシミュレーションをしたり、PDCAサイクルを回したりはできるけど、それだけじゃないかなと思います。騙される人は騙されるだろうし、賢くなる人はより賢くなる」と語った。
心身の不快感を避けず、外へ出よ
山本氏は「AIに騙されず、支配されず生きていくためには心身の不快感や摩擦を避けてはいけない」と結論づけた。益田氏はこれに賛同し、「AIが提供する心地よい場所に居続けるのではなく、外へ出ること。異なる価値観や考え方を持つ人たちと逃げずに向き合っていくのが大事なんです」と強調した。
国際情勢にも応用される視点
益田氏は国際法を例に挙げ、「国際法を破る国はダメだ、すべて間違っている」と管理社会的に考えるのではなく、「国際法を破った側には何か別の考え方があるのかもしれない」「悪いことではあるけど、この行動があの国にどんな利益をもたらすのだろう?」など、相手の視点に立って深く考えることが重要だと述べた。そのような姿勢が人間として成熟していくことにつながるとしている。



