薬剤師の75.4%がAI活用に前向き、実際の利用は39.4%にとどまる
薬剤師の75.4%がAI活用に前向き、実際の利用は39.4%

マイナビ メディカルサポネットは2026年9月28日、「薬剤師白書2026年版」の結果を発表した。調査は2026年6月22日から7月16日まで、薬剤師人材紹介サービス「マイナビ薬剤師」の登録会員313人を対象に、調査票の入力フォームをメールで送信し、オンラインで回答を回収する方法で実施された。

AI活用に前向きな一方、実際の利用は4割未満

薬剤師としての業務経験がある人に、業務においてAI活用を積極的に進めるべきか聞いたところ、「そう思う(計)」は75.4%となった。一方、現在薬剤師として業務をしており、実際にAIを活用している人は39.4%にとどまった。AI活用に対しては前向きである一方、実際の業務での活用状況とは大きな差がみられた。

AI活用業務は「薬歴・記録業務」が最多

AIを活用している業務では、「薬歴・記録業務」が50.9%で最も高く、「処方内容の確認・監査」が33.9%、「在庫管理・発注業務」が25.0%で続いた。記録業務や、正確性が求められる処方内容の確認・監査、在庫管理などの管理事務作業にAIが活用されている様子がうかがえる。

AI活用拡大で仕事の価値が「高まる」は31.3%、意見が分かれる

現在就業している薬剤師に、AIの活用拡大によって薬剤師の仕事の価値がどのように変化すると思うか聞いたところ、「高まる(計)」が31.3%、「変わらない」が35.6%、「低下する(計)」が33.1%となり、意見が分かれた。AI活用者では「高まる(計)」が35.7%となり、AI非活用者を7.2ポイント上回った。

仕事の価値が高まると思う理由では、「AIによる業務効率化によって患者対応や専門的な判断により多くの時間を割けるようになること」や「医療の質の向上につながることへの期待」などが挙げられた。一方で、「薬剤師の必要人数への影響」や「患者が薬剤師へ相談する機会の減少」など、AIの知識量や処理能力を一因とした仕事の価値の低下に対する懸念もみられた。

オンライン服薬指導は60.7%がポジティブに評価

オンライン服薬指導について、薬剤師の仕事の視点からどのように評価するか聞いたところ、「ポジティブに評価している(計)」は60.7%となり、「ネガティブに評価している(計)」の8.0%を大きく上回った。

ポジティブに評価する理由として、「患者の来局負担の軽減」「地域による医療アクセスの差の縮小」「薬剤師の働き方の選択肢拡大への期待」が挙げられた。一方、ネガティブに評価する理由では、「コミュニケーションの難しさ」「画面情報で得られる情報の限界や不確実性への懸念」「薬の受け渡しに伴う安全面」が挙がった。利便性やアクセシビリティの向上への期待が寄せられる一方、コミュニケーションや安全面への懸念も一部でみられた。

精神・心理面のゆとりがない薬剤師は59.2%

現在働いている薬剤師にさまざまな「ゆとり」について聞いたところ、「精神・心理面のゆとりがない(計)」が59.2%で最も多かった。次いで、「時間的なゆとりがない(計)」が58.1%、「体力・健康面のゆとりがない(計)」が54.6%、「経済的なゆとりがない(計)」が48.2%となった。精神・心理面や時間的なゆとりがない人が、ともに約6割となっている。