JR・京王・東武…日立と組む鉄道AI「HMAX」で変わる保守点検、ローカル線にも導入可能か
JR・京王・東武…日立と組む鉄道AI「HMAX」とは

日立の鉄道AI「HMAX」とは

日立製作所が開発した鉄道AI「HMAX」が、JR、京王電鉄、東武鉄道などで導入され、鉄道保守の現場を大きく変えつつある。HMAXは、台車に取り付けたセンサーで振動データを常時モニタリングし、わずかな振動の違いを分析することで、ベアリングや車輪、モーターなどの異常の予兆を発見できる。このセンサーは発電機能を持ち、給電ケーブルが不要で、無線通信により台車周辺の複雑な配線作業も不要だ。

導入事例と効果

東武鉄道では、2024年からHMAXを導入し、車両の状態監視を開始した。従来は熟練作業員の経験と勘に頼っていた異常検知が、AIによるデータ分析で客観的かつ早期に把握できるようになった。また、線路の異常予兆や乗り心地の診断も可能となり、保守作業の効率化と安全性向上が期待されている。

京王電鉄でも同様の取り組みが進められており、JR各社でも試験導入が行われている。特に、夜間の線路点検作業では、貨物列車の走行による危険が伴うが、AIを活用することで安全性が大幅に改善された。架線のモニタリングでは、従来は車両の屋根に設置したカメラの画像を走行後に地上で分析していたが、車上に分析機器を設置してリアルタイムで異常検知が可能になった。

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集大成はコペンハーゲンメトロ

日立の安達氏は「現場の課題を1つずつ解決し、そのソリューションを集めたものがHMAX」と語る。現時点での集大成は、デンマークのコペンハーゲンメトロだ。日立は2002年の開業時から車両や無人運転システムを納入し、保守事業も担ってきた。2022年ごろから運行・保守のDXについて事業者と検討を開始し、2024年にHMAXを導入した。

「従来は車両担当、信号担当などそれぞれの担当者が担当機器の状態を確認し、異常時の対応を行っていたが、統合管理システムを導入して、系統をまたがった全体の状態把握が可能になった」と安達氏は説明する。これにより、無人自動運転のメトロの安全性と効率性がさらに向上した。

ローカル線への導入可能性

HMAXは、大規模鉄道会社だけでなく、ローカル線への導入も視野に入れている。センサーが小型・無線化され、設置が容易なため、コストを抑えながら高度な状態監視が可能になる。日立は、熟練者の知見をAIに取り込むことで、技術継承の問題解決にも貢献するとしている。

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