防衛AI活用「戦場のゲームチェンジャー」前米空軍トップが指摘
防衛AI活用「戦場のゲームチェンジャー」前米空軍トップ指摘

元米空軍制服組トップのデイビッド・オールビン前参謀総長は、訪問先のソウルで朝日新聞の取材に応じ、ウクライナ戦争で無人機(ドローン)が戦場を大きく変えたとの見方を示した。防衛分野での人工知能(AI)活用の成否が「将来の戦場のカギを握る」と強調した。

ウクライナ戦争でドローンが主力兵器に

オールビン氏はインタビューで、ウクライナ戦争でドローンが主力兵器として使われている現状を「ここ数十年の戦争で起きた最も重要な変化の一つ」と指摘した。威力のある安価な兵器の出現によってコスト競争でも勝つ必要があるとして、「我々は自分たち独自の技術を活用し、より安価な大量生産とともに、十分な攻撃力の兵器を継続的に製造する能力をもつ必要がある」と語った。同時に、機械か人間のどちらか一方を選択するのではなく、両者の連携を図ることが重要だとの認識も示した。

AIで意思決定の優位性を確保

米軍は対イラン軍作戦で「メイブン・スマート・システム」などAIによる指揮統制支援システムを使っている。オールビン氏は防衛分野におけるAI活用によって「敵よりも速く決定する能力が高まる」と指摘したうえで、「意思決定をめぐる優位性は、戦場におけるゲームチェンジャーになり得る」と強調した。米国や同盟国は今後、起業家ら民間の技術を軍事能力と結びつける取り組みが必要だと指摘した。

日本の安保3文書改定を「大きな機会」と評価

一方、オールビン氏は日本の安保関連3文書改定をめぐる防衛力強化の検討について、日本は現在、AIやサイバーなど新たな技術開発や生産手段を構築する「極めて重大な時期」を迎えていると指摘した。日米同盟の強化に関し、日本は民間の優れた宇宙能力を始め、自律化システムの技術、装備品の安価な大量生産などの面で主導できるとの考えを示した。