補助金ビジネスに依存してきた中小コンサルティング会社が相次いで経営破綻に追い込まれている。大阪市の北浜グローバル経営は2020年以降、補助金ビジネスで急成長し「バブルの寵児」と称されたが、2024年5月に自己破産した。これを皮切りに、全国の補助金ビジネスに傾倒したコンサルティング会社が経営難に陥り、補助金バブルは崩壊の最終局面を迎えている。
補助金ビジネスを直撃する3つの変化
今後の展望を占う上で、中小コンサルティング会社や個人コンサルタントの将来に影響を与える3つの変化が指摘されている。第一に、行政書士法の改正だ。従来、「申請書はこちらで全部書いておきました。ハンコだけ押してくれれば申請しておきます」という手法が横行していたが、これは厳密には行政書士法違反だった。2026年1月の法改正で明確に違法となり、「代書屋」と呼ばれたコンサルタントは追い詰められている。
第二に、補助金そのものの見直しが進んでいる。国民から「補助金は税金の無駄遣い」との批判を受け、国は各種補助金や基金の見直しを推進。自民党も補助金見直しに関する提言をまとめた。特に批判が強い中小企業対策予算は、今後大幅な縮小が見込まれる。
第三に、生成AIの普及が挙げられる。過去の採択・非採択事例を分析し、自社の状況に当てはめて採択されやすい申請書を作成する作業は、生成AIが最も得意とする分野だ。経営者が生成AIを使いこなせるようになれば、コンサルタントの出る幕はほぼなくなるだろう。
大手コンサルは逆に黄金時代へ
補助金ビジネスがすべてなくなるわけではなく、申請支援にとどまらず補助金を有効活用してクライアントの経営改革を実現しているコンサルタントも存在する。しかし、厳冬期を迎えるのは間違いない。一方で、大手コンサルティングファームは補助金ビジネスとは距離を置いており、近年順調に成長してきた。しかし、「生成AIが進化し、普及したらコンサルティングは不要になる」との指摘もある。大手ファームは中小と同じように衰退するのだろうか。
実は、生成AIの普及は大手コンサルティングファームにとって追い風となる可能性が高い。AIによってコンサルティングの生産性が向上し、価格破壊が進むことで、これまでコンサルティングを利用できなかった中小企業にも市場が拡大する。結果として、大手ファームはさらなる成長を遂げると予想される。
優秀な新卒が不要になるパラドックス
しかし、その一方で、大手コンサルが求める人材像は変化する。AIが多くの分析作業を代替するため、従来のような「優秀な新卒」の需要は減少する。コンサルタントに求められるのは、AIを活用した高度な戦略立案やクライアントとの関係構築であり、単なる分析力や知識量ではない。このパラドックスにより、優秀な新卒が就職先としてのコンサル業界の魅力を失う可能性がある。
日沖健経営コンサルタントは、「生成AIの普及はコンサルティング業界に構造変革をもたらす。大手ファームは成長するが、そこで働く人材の質は変わるだろう」と述べている。コンサル業界は、AI時代に対応した新たな人材戦略を迫られている。



