PwCコンサルティングは、AIエージェントを安心・安全に活用するためのリスク管理の重要性を訴えている。同社は2026年7月17日に開催した記者説明会で、トレンドマイクロと共同でAIエージェントに関するサイバーリスクの分析と実証技術に取り組み、その成果を報告として公開した。
自律レベルと機能ドメインに応じたリスクの変化
PwCコンサルティングの執行委員(執行役員パートナー)は、AIエージェントの自律レベルは6段階に分類でき、レベル4以上から従来のセキュリティ対策では対応できないリスクが急増すると説明。また、AIエージェントの機能は大きく6つのドメイン(認識、思考、記憶、行動、監査・ガバナンス)に分解でき、それらが連携して目標を達成するとした。
三つの論点:NHI、HITL、外部環境との相互作用
同氏は、AIエージェントで考慮すべき三つの論点として、非人間アイデンティティ(NHI)、ヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL)、外部環境との安全な相互作用を挙げた。
NHI管理では、AIエージェントのID作成・削除に関する明確な方針を定めている組織は約2割にとどまり、過剰な権限付与、明確な所有権・説明責任の欠如、可視性の欠如が課題だと指摘。これらの問題は独立したものではなく、相互に影響し悪化させるため、ライフサイクル管理プロセスを構築・運用することが肝要とした。
HITLでは、判断プロセスのブラックボックス化、目標逸脱と計画の破綻、Agent2Agent(A2A)の連携における説明責任の希薄化という三つのリスクを提示。特にA2Aではエージェント間での責任のたらい回しが起こり得るとした。
外部環境との安全な相互作用では、信頼できないデータの取り込み、ツールの悪用と予期しない連携、サプライチェーンの信頼性毀損のリスクを挙げ、安全な設計・運用の必要性を説いた。



