5G普及加速、2030年には全人口の85%がカバーへ
5G普及加速、2030年には全人口の85%カバー

総務省は2026年7月6日、最新の情報通信白書を公表し、日本における5Gの普及状況と今後の見通しについて詳細な分析を発表した。同白書によれば、2025年度末時点での5G人口カバー率は約60%に達する見込みであり、これは前年度の約45%から大幅に改善した数字となる。さらに、2026年度以降も基地局の整備が加速し、2030年までには全国の人口の85%が5Gのサービスエリア内で利用可能になると予測されている。

5G基地局の整備状況

白書では、国内の携帯電話事業者各社が積極的に5G基地局の設置を進めている実態が明らかにされた。特に、都市部での整備は順調に進んでおり、東京23区や政令指定都市の中心部ではほぼ全域で5Gが利用可能となっている。一方、地方部や山間部ではまだ整備が遅れており、政府は2027年度までに全国の市町村の少なくとも1箇所で5Gを利用可能にする目標を掲げている。総務省の担当者は「5Gは産業のデジタル変革や遠隔医療、自動運転などの基盤技術であり、地域間格差の是正が急務」と述べている。

5Gの利用状況と用途拡大

5Gの契約数も増加傾向にあり、2026年3月末時点で約9000万件に達した。これは前年同期比で約40%増の伸びを示している。利用者の主な用途は動画視聴やオンラインゲームなどのエンターテインメントが中心だが、企業向けのソリューションとしても活用が広がっている。例えば、製造業では工場内の遠隔監視やロボット制御、農業ではドローンによる農薬散布や生育状況の分析など、多様な分野で導入が進んでいる。総務省は、5Gの特性である高速・大容量、低遅延、多数同時接続を活かしたサービスが今後さらに拡大すると見込んでいる。

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今後の課題と政府の取り組み

一方で、課題も浮き彫りになっている。5Gの電波特性上、基地局のカバー範囲が4Gと比べて狭いため、エリア拡大には多くの基地局が必要となる。また、建設コストの高さも事業者にとって負担となっている。これらの課題に対し、政府は2026年度補正予算で5G基地局の整備に対する補助金を拡充する方針を示した。さらに、地方自治体と連携した基地局設置の規制緩和や、共有インフラの活用促進なども検討されている。

5Gの社会実装と経済効果

白書では、5Gの普及による経済効果にも言及している。2030年までに5G関連市場は約20兆円に拡大すると試算され、特に製造、医療、運輸、農業などの分野で生産性向上や新たなビジネス創出が期待されている。総務省は「5Gは単なる高速通信手段ではなく、社会全体のデジタル化を推進する重要なインフラ」と位置づけ、官民一体での取り組みを加速させる方針だ。

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