第108回全国高校野球選手権大会で、春夏通じて甲子園初出場の有明(熊本)が16日の3回戦で東日大昌平(福島)に4―1で勝ち、8強入りを決めた。1回戦は九回に逆転して勢いづくと、2回戦、そして3回戦も逆転勝利で、3試合連続の逆転勝ちとなった。
安定した「二枚看板」の継投
投手陣は、斉藤遼汰郎と工修哉の左腕2人で甲子園まで勝ち上がってきた。工は直球と変化球の緩急を生かした投球で制球力が高く、斉藤は最速146キロのストレートに力がある。熊本大会から全試合で先発工、リリーフ斉藤のリレーでつないできた。
特徴の異なる2人の継投で相手打線の目線を外し、1回戦の立命館宇治戦は3失点、2回戦の長崎日大戦は2失点に抑えた。この夏、有明は1イニング3失点以上を許したことがない。
ラッキーボーイ永田の活躍
トーナメントを勝ち上がるチームには絶好調の選手が必ずいるが、それが1番・二塁手の永田晴輝だ。1回戦の立命館宇治戦では3点を追う七回に2点適時打を放ち、九回には逆転3点二塁打を放った。2回戦の長崎日大戦では、三回に永田の二塁打と盗塁から野選を誘って貴重な1点を加点した。
3回戦の東日大昌平戦では、1点を追う八回1死走者なしからバント安打で出塁し、重盗などで三塁へ進み、左前安打で同点の本塁を踏んで逆転勝ちにつなげた。永田は「負けている場面でも盗塁を決めれば球場が盛り上がって、自分たちのペースになる」と話し、「甲子園の初戦、2回戦と最後のアウトは自分がボールを持っているので、そういう意味でもラッキーボーイになっているのかな」と笑う。
充実した環境と甲子園の声援
学校があるのは、福岡県大牟田市に隣接する熊本県北部の荒尾市。2021年に普通科スポーツ総合コースが創設され、部員74人のほとんどが在籍する。ベンチ入り20人のうち県内中学出身者は4人で、部員の大半が寮に住み、ナイター設備がある専用グラウンドで野球に集中できる環境が整っている。
これまでの勝ち上がりを見ると、球場の声援が後押ししているようにも思える。立命館宇治との初戦は九回、相手の失策や四球でたまった走者を永田の一打で返した。マウンドにいた立命館宇治の坂本有央は「球場全体が向こうの声援で、のみ込まれてしまった」と振り返った。初めての大舞台で、有明の選手たちはのびのびとプレーし、ここぞの場面で得意の足を生かした盗塁でチャンスを広げ、打者がしぶとく適時打を放ってきた。特に試合終盤での声援の大きさと勝負強さは圧巻だ。



