阪神・藤川球児監督、連覇達成なら「名将」の称号へ 優勝マジック点灯秒読み
阪神・藤川監督、連覇なら名将の称号 優勝マジック秒読み

阪神が優勝マジック点灯の秒読み段階に入った。2年前の就任会見で「勝ちに行く。理想は岡田監督です」と言い切った藤川球児監督(46)が、今シーズン球団史上初の連覇を達成すれば、押しも押されせぬ「名将」の称号を得る。

連夜のサヨナラ勝ち

オールスターゲームまでの前半戦をリーグ史上初めて巨人と同率首位で折り返したが、直接対決となった今月11~13日の巨人3連戦(東京ドーム)に3連勝。18日のヤクルト戦(京セラ)では1-2で迎えた九回1死から佐藤輝明内野手(27)がリーグトップに並ぶ29号同点ソロを放つと、続く大山悠輔内野手(31)が14号サヨナラ本塁打。同点、サヨナラの2者連続本塁打は球団史上初。19日も大山の犠飛でヤクルトに連夜のサヨナラ勝ちを収め、一気にV機運が高まった。

就任当初の疑問を覆す手腕

藤川監督は2020年限りで現役を引退し、翌21年からスペシャルアシスタント(SA=特別補佐)に就任。チーム運営や選手・スタッフをサポートしながら、野球解説者として奥の深い分析で好評を博した。岡田彰布前監督(68)が24年にリーグ連覇を逃し、2年契約を満了して退任すると、阪神の第36代監督に就任。球団と3年契約を結び、同10月15日に大阪市内のホテルで行われた就任会見で「岡田監督の2年間で非常に強く、チームは成熟した。自分の決断には自信を持っている。大丈夫と思っている。普通にやったらいい。全ての流れがある。勝ちに行く。理想は岡田監督です」と言い切った。

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23年にチームを18年ぶりのリーグ制覇、38年ぶり2度目の日本一に導いた名将を理想像に描くも、就任当初は手腕を疑問視される面もあった。指導者経験がなく、日米通算20シーズンおよび独立リーグの高知時代を含め、現役時代は主にリリーフを担った。試合終盤に出番が来るまでブルペンで過ごす時間が長かったこともあり、「ベンチにいなかったから、ベンチワークなど分からない」という理由だ。

主力長期離脱を乗り越えて

蓋を開けると杞憂だった。就任1年目の昨季は85勝54敗4分けの貯金31で独走V。ソフトバンクとの日本シリーズは1勝4敗で敗れたが、2年目の今季は相次ぐ誤算を乗り越えた。春季キャンプ中の2月11日、セットアッパーの石井大智投手(29)が紅白戦で左足アキレス腱を断裂。近本光司外野手(31)も4月26日に左手首に死球を受けて骨折し、石井に続いて長期離脱を余儀なくされた。それでも、藤川監督はチームの動揺を抑え、目の前の戦いに集中した。選手個々のプレーを数値化して分析。特に投手の継投策はデータ重視を貫いた。森下翔太外野手(26)が死球を受けた13日の巨人戦(東京ドーム)ではベンチを飛び出し、椅子を蹴り上げるなど激高した姿からは想像もつかない緻密な野球で勝ち星を積み重ねている。

1950年の2リーグ分立後、阪神は7度のリーグ優勝を遂げている。藤本定義監督と岡田彰布監督が2度制し、吉田義男監督と星野仙一監督、昨季の藤川監督は1度ずつ。ただ、就任初年度からのリーグ連覇を成し遂げた指揮官は誰一人いない。藤川監督はもうすぐ、新たな歴史の扉を開きそうだ。

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