第108回全国高校野球選手権大会準々決勝で、有明は健大高崎に延長十回タイブレークの末、0-1でサヨナラ負けを喫した。九回まで無失点に抑えた斉藤遼汰郎投手だったが、十回裏に1死二、三塁のピンチを招き、石田雄選手の適時内野安打で三塁走者が生還した。
九回2死満塁の危機を脱する
0-0のまま迎えた九回、2死満塁のピンチでマウンドに立つ斉藤投手は笑みを浮かべていた。健大高崎の代打・園田蓮選手に対し、暴投や捕逸、四死球を恐れずに正面から勝負し、7球目に内角いっぱいの直球で見逃し三振に仕留めた。捕手の西山享太郎選手は「今日のベストボール。鳥肌が立った」と振り返った。
機動力が持ち味の両チームが互いの武器を封じ合う締まった展開となった。有明は1、2回戦で好投した工修哉投手がけがの影響で先発を回避し、マウンドを託された斉藤投手が序盤から落ち着いた投球でゼロを重ねた。
声援を力に、球運の差で散る
開幕前に起きた地震で被災した熊本代表として、アルプス席だけでなく他の客席からも聞こえる歓声が力になったと斉藤投手は語る。有明は序盤の失点を防ぎ、後半勝負に持ち込む戦い方を今大会で身につけてきた。
延長十回裏、二塁手の永田晴輝選手が一、二塁間へのゴロをさばき、本塁へ突入した走者を刺そうとしたが、タッチをかいくぐられた。ビデオ検証でようやく判別できるきわどいプレーだった。高見一茂監督は「ほんの一歩だけ、届かなかった」と話した。打球がもう少し二塁手寄りに転がっていれば結果は変わっていたかもしれない。敗因は力の差ではなく、球運の差だけだった。



