大船渡市立第一中学校3年の平山橙輝君(15)が今夏、全日本パラ空手道競技大会の組手競技に初出場し、前回覇者を破って優勝した。平山君は「将来は世界を目指す」と意気込んでいる。
初出場で頂点に
「京王アリーナTOKYO」(東京都調布市)で行われた男子個人戦の組手。13~15歳のクラス2(肢体不自由)に出場した。
初戦では京都府の選手に苦戦しながらも左手のつきを決めて勝利。決勝では前回優勝した岐阜県の選手と対戦し、事前に繰り返し試合の映像を見て研究し、相手の動きを頭にたたき込んで臨んだ。
試合では相手の間合いに入らないように意識しながら一気に距離を詰め、得意のつきを積極的に繰り出し、相手に得点を与えずに優勝した。
空手との出会い
平山君は生まれつき右半身のまひがある。運動は好きだったが、まひの影響から性格は徐々に内向きになった。地元に空手教室が出来ると聞いた母・安里さん(49)が、性格を変えてもらいたいと空手教室に誘った。
礼儀を重んじ、技を習得できた時に感じる達成感から空手のとりこになった。だが学年が上がり、体の反応が遅れがちになった。中学生のパラの大会はなかなか見当たらず、健常者に交じった大会では結果が出ないでいた。
新たな道
結果を残せない教え子に、日本空手協会大船渡支部長として指導を続けてきた佐々木イザベルさん(46)は歯がゆさを募らせていた。佐々木さんは「俊敏性もあり、相手の動きを正確に読み取れる素質はある。あとは戦える舞台を整えるだけ」とパラ大会への出場を促した。
パラ大会で優勝したことで、空手にいっそう力を入れるようになった。これまでは健常者との戦いで苦悩してきたが、新たな道がひらけた感覚だったという。
空手と出会い、体のバランス感覚や柔軟性も向上し、人前でも話せるまでに精神力も成長した。平山君は「空手に出会って人生が変わった。今後も空手の道をきわめたい」と話している。