将棋A級順位戦、佐々木八段が伊藤二冠に逆転勝利
将棋A級順位戦、佐々木八段が逆転勝利

第85期A級順位戦(主催:朝日新聞社・毎日新聞社)は1回戦が進行中。6月18日(木)には伊藤匠二冠―佐々木勇気八段の一戦が東京・将棋会館で行われました。対局の結果、力戦調角換わりのねじり合いから抜け出した佐々木八段が137手で勝利。深夜の逆転劇で開幕勝利を飾っています。

伊藤二冠のA級初戦

A級デビューの伊藤二冠を4期目の佐々木八段が迎え撃つ注目の一戦は、受けを苦にしない伊藤二冠の良さが前面に出る中盤戦となりました。△3三金型角換わり+早繰り銀の力技で定跡形を回避したのち矢倉系の堅陣に組んだのがじっくりした指し回し。先手の攻め急ぎを丁寧な自陣角で受け止め、リードを奪いました。夕食休憩後から戦いは本格化します。

攻めるよりない佐々木八段は勝負手連発で迫りますが、それとは裏腹に形勢の針はジワジワ後手のほうへと振れていきます。王手飛車取りとなる金打ちが決まった局面は伊藤叡王の寄せを待つばかりかと思われましたが、日付が変わったころ、両者時間切迫で迎えた終盤の入り口にドラマが待っていました。飛車を切って手番を求めた伊藤二冠の一手が敗着に。

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先輩棋士からの洗礼

九死に一生を得た佐々木八段の目に力がみなぎります。軽快な玉上がりで入玉をチラつかせたのが相手の戦力不足に着目した好手。盤上に打っておいた飛車や角のにらみも守りに役立って、後手の攻め筋はにわかに細くなってきました。伊藤二冠としては再度受けに回ることで戦力を補充する必要がありましたが、自玉が薄く踏み込みづらかったことが裏目に。

終局時刻は0時46分、最後は自玉の寄りを認めた伊藤二冠の投了で熱戦に幕。終局図で伊藤玉は入玉の望みが完全に絶たれており、攻めても有効な王手がない局面でした。全体を振り返ると、苦しい形勢で終盤に入りながらも粘り強い指し手で決め手を与えなかった佐々木八段の総合力が光る逆転譜に。伊藤二冠としてはA級の洗礼を浴びた格好です。

水留啓(将棋情報局)

佐々木八段は2回戦では豊島将之九段との対局が予定されています(写真は第83期順位戦A級最終局のもの 撮影:編集部)。

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