2026年の北中米ワールドカップ(W杯)まであと約2年。大会はアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催という前代未聞の形で行われる。現地で取材を続けるベテラン記者が、選手だけでなく関係者も直面する厳しい戦いを報告する。
初の3カ国共催がもたらす試練
今回のW杯は史上初めて3カ国で開催される。そのため、移動や物流、言語の壁など、従来の大会にはない課題が山積している。特に記者にとっては、国境を越えた取材計画が必要となり、ビザや通貨の問題も発生する。
空港でのトラブル続出
筆者はまず、航空会社の受託手荷物枠の事前購入でつまずいた。日本のカスタマーセンターで「現地で購入できる」と言われたため、空港で手続きを試みたところ、6500円のはずが1万0700円も請求された。問い合わせても「旅行サイトに連絡してくれ」とたらい回しにされ、最初から騙された気分になった。
さらに、最初のフライトが遅延。デトロイトでの乗り継ぎ時間が50分しかなくなり、地上職員の誘導で入国審査を通過。手荷物を受け取る時間がなく、職員に「あなたはゲートへ急いで」と言われ、空港内を全力疾走した。なんとか次の便に間に合ったが、荷物は届かないと諦めていた。ところがナッシュビル到着時に荷物が最後の最後で出てきて驚いた。取材仲間の中には、フライト遅れで先に荷物が到着し、保管庫まで取りに行ったケースもあったという。
歴史的円安が直撃
アメリカに到着して悩ましいのが、円安ドル高だ。1ドル160円を超え、メキシコペソに対しても歴史的な円安水準。2025年に2度渡米した際は145円前後だったので、15円も円安が進んでいる。
物価高騰に悲鳴
スーパーで買い物をすると、すべての商品が日本の倍以上の価格だ。例えばラーメン用の小ねぎは1.6ドル(約250円)。日本のスーパーなら120円程度の野菜パックが3ドル(約480円)と、割高感が否めない。インスタント食品も高く、39セントの格安商品を見つけて購入した。
「アメリカにいると、円換算していたら何も買えなくなる」と話すメディア関係者の言葉はまさにその通り。少しでも節約しようと、スーパーのセール品をチェック。1.7ドル(約270円)のポテトチップ、2.7ドル(約433円)の見切り品のエビのビスクスープ、5ドル(約800円)のフライドチキン4ピースパックなどを購入。日本から持参した食材と合わせてしのいでいる。
次ページでは、意外と快適な宿泊先にも難題があることを紹介する。



