所属での強化の重要性、日常の蓄積こそが大切 平井伯昌氏が強調
所属での強化の重要性、日常の蓄積こそが大切 平井伯昌氏

競泳は、1年の大半を所属チームで過ごす。年末や春の代表選考会以降に日本代表で合宿をする機会はあるものの、日常の取り組みの蓄積こそが大切だ。レベルの高い選手は、現状維持すら容易ではない。改めて所属での強化の重要性を実感している。

米アリゾナ州での高地合宿

12日に米カリフォルニア州アーバインで競泳が始まるパンパシフィック選手権を控え、7月上旬から約1カ月間、アリゾナ州フラッグスタッフで高地合宿を敢行した。東洋大を拠点にしている選手以外にも、さまざまな所属の中長距離の選手たちが集まった。

合宿開始までの各所属での強化の進捗にはばらつきがあり、大学の授業と水泳の両立に苦戦して十分なトレーニングができていない選手もいた。そのような選手は、合宿前半は練習についていくので精いっぱい。4週間あるうちの2週間を過ぎたあたりから、ようやく本来の力が戻ってきたといった状況だった。

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東洋大の選手の事前準備

一方、東洋大の選手は、6月の日本選手権後は高地での強化を見据えた練習にシフトしていた。試合の日の朝に練習してからレースに臨むなど、タフに追い込んでフラッグスタッフ入りに備えた。その結果、序盤から順調に練習をこなすことができ、地力がついたと感じている。

参加したコーチたちには「集まって切磋琢磨(せっさたくま)することも大切だが、最も大事なのは所属での日常的な強化だ」と伝えたところだ。

データ分析の重要性

今回の合宿には、東洋大のプールに最近導入したカメラも持ち込んだ。練習の泳ぎを動画撮影し、泳速やテンポなどを細かく算出。普段から協力してくれている科学スタッフの林勇樹さんが各選手とコーチに分析のフィードバックをしてくれた。

平泳ぎで五輪2大会連続2冠を達成した北島康介の活躍の裏には、泳法解析やトレーニング、体のケアなどの専門家が集結した「チーム北島」の存在があった。この支援体制をモデルケースとし、日本のスポーツ界全体のサポート環境が充実した経緯がある。

しかし、現在の競泳界は人材面も含めてサポートが手薄になりつつある。選手やコーチに「頑張れ」というだけでは、世界の頂点にたどり着けない。伸びしろや課題を客観的に指摘してくれるデータ、それを扱う人材が必要不可欠だ。だからこそ、私たちは「チーム北島」のような環境を日常の現場で再現できるように取り組んでいる。

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