秋田の元主将・飯尾さん、長崎で平和活動に尽力
ブラウ元主将・飯尾さん、長崎で平和活動

81年前に原子爆弾が投下された長崎で、サッカーJ2・ブラウブリッツ秋田の元主将、飯尾竜太朗さん(35)がJ1のV・ファーレン長崎のフロントスタッフとして平和活動に携わっている。「多くの夢が奪われたこの場所をサッカーを通じて平和を感じる場所にしたい」と意気込む。

平和祈念マッチで全国にメッセージ

9日夜、長崎の今季開幕戦は「平和祈念マッチ」として長崎市で行われた。2万489人の観客が集まり、長崎が勝利すると大歓声に包まれた。試合を見届けた飯尾さんは「スタンドの観客が平和へのメッセージを掲げ、全国に発信できた」と話す。

被爆者の言葉が胸に

兵庫県出身の飯尾さんは2021~23年にブラウに所属し、23年には主将を務めた。長崎には17~18年と24~25年の4シーズン在籍し、昨年引退。今年からJ1に昇格した長崎にフロントスタッフで残った。

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長崎の選手は毎年、被爆者の体験を聞いたり、平和公園を巡ったりして原爆への理解を深めている。「人間らしく生きて、人間らしく死ぬことができなかった」。飯尾さんは被爆者の男性から聞いた言葉が脳裏に焼き付いているという。

子どもたちに平和の大切さを伝える

指導するサッカー教室では、うまくプレーできずに落ち込む子どもたちがいると、「サッカーができるのは平和なことだよ」と話しかける。7月にはサッカー教室の子どもたちと平和を願うメッセージを平和のキャンドルに書いていくイベントに参加した。

長崎の本拠地・ピーススタジアムや商業施設が入る「長崎スタジアムシティ」は、戦時中は軍需工場だった場所で、原爆で多くの人が亡くなったとされる。「この場所でたくさんの人が犠牲となり夢を諦めた。多くの人の願いが込められたスタジアムはサッカーで夢を届けられる場所であるべきだ」とかみ締める。

秋田サポーターとの絆

飯尾さんにとって秋田やブラウのサポーターとの縁は特別だ。長崎に移籍後の24年5月、ブラウとの試合が長崎県諫早市であった。リハビリ中で試合に出場できなかったが、秋田サポーターは飯尾さんへの激励メッセージを横断幕にして掲げた。横断幕は今も自宅で大切に保管している。

「いつかブラウがJ1に昇格して、ピーススタジアムで長崎と試合できる日が来ることを願っている。秋田サポーターが原爆資料館や平和公園に足を運び、平和を考えてもらう日が来たらうれしい」とほほえんだ。

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