第108回全国高校野球選手権大会第7日の11日、3年ぶり3度目出場の社(兵庫)は2回戦で智弁和歌山(和歌山)と対戦し、1―2で敗れた。
岩井投手の力投も実らず
先発の岩井秀耶投手が9回2失点の力投を見せ、七回に小倉臣斗選手の適時二塁打で1点差に詰め寄ったが、及ばなかった。
4番・小倉選手の一打
小倉選手は「好機に打てるから、4番にいるんで」と話す。見せ場は七回に巡ってきた。2打席凡退していた相手先発が変わり、マウンドには2番手投手がいた。無死一塁。「スイングは悪くない。直球だけに狙いを定め、一発で仕留めればいい」と打席に入った。1球目、その直球を仕留めた打球は、バックスクリーン右、球場の最深部で弾む適時二塁打になった。「芯を食っていて、完璧だった」と塁上で拳を突き上げた。
勝負強さの原点
打撃練習では「1球で仕留める」を意識し、狙い球を決めたら他の球種に一切手を出さないほどこだわってきた。山本巧監督の評価は「努力家で、のめり込んでいくタイプ」。今春、1番から4番に打順が変わったのも、抜群の勝負強さを身につけたからだ。兵庫大会決勝では、終盤の勝負所で逆転2ランも放った。
中学時代、父の母校でもある社が春夏3季連続で甲子園に出場し、「自分もここで活躍したい」と進学した。憧れのユニホームを着て、九回には鋭い右前打も放った。
聖地では、守備でアウトを重ねても大歓声に包まれた。「一球の重みが全然違った。負けはしたが、自分らしい打撃ができて悔いはない」と胸を張った。
主将とOBの思い
松下幸叶主将は「岩井の好投に応えたかった。機動力を使った社らしい野球はできたが、(一死三塁の)七回の好機であと1点、しっかり取り切りたかった」と振り返った。
社のアルプス席では昨夏まで共にプレーした前主将の藤原悠宇さん(19)らOB約15人が集まり、熱烈な声援を送った。昨夏のチームは兵庫大会準々決勝で惜敗、甲子園出場の夢はかなわず、藤原さんは「本当に悔しかった」と話す。岩井秀耶投手とは寮生活で野球について熱く語り合ったといい、そんなエースについて「走者や守備の位置を確認できる視野の広さと、球威が武器」と魅力を語る。後輩たちが連れてきてくれた聖地で、メガホンを片手に力強く応援歌を響かせた。



