天理の「公認」カメラマンは現役警察官、アルプス席最前列で全国制覇の瞬間を狙う
天理の公認カメラマンは現役警察官、全国制覇の瞬間を狙う

第108回全国高校野球選手権大会(甲子園球場)に出場している天理(奈良)には「公認」のアマチュアカメラマンがいる。奈良県警生駒署の警務課長、市場一紀さん(52)だ。撮影した写真は選手の士気を高め、プレーにも役立っている。15日の3回戦もファインダー越しに見守り、勝利を願う。

初戦で約1000枚を撮影

10日夕方からの福山(広島)との初戦。仕事を早めに切り上げて駆けつけた市場さんは、アルプス席の最前列から望遠レンズを付けたカメラで選手を狙い続けた。金本相有選手(3年)が先制ソロ、長尾亮大投手(同)は2失点完投。夢中でシャッターを切り、約1000枚を撮影した。

昨夏は初戦敗退しており、「勝って笑顔でアルプスに向かってくる写真を撮れてよかった」と声を弾ませた。

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写真が選手の力に

友人の勧めで10年前にカメラを始めた。野球観戦が好きで、休日に奈良や大阪で高校野球の試合を撮影。SNSで投稿した写真を見た天理の保護者から「ほしい」とメッセージが届いたのを機に、約8年前から天理を中心に撮っている。

撮影は保護者会の了承を得ており、大会前には壮行会に参加して選手と会話する。2022年の夏の甲子園で中心打者として活躍し、プロ野球・阪神に入団して現在は育成選手の戸井零士選手(21)とは今も交流が続く。市場さんは「選手が喜んでくれてやりがいがある。毎年、新入部員を見ると、子どもが増えたような気持ちになる」と語る。

全国制覇の瞬間を捉えたい

今年も奈良大会から撮り続ける。選手たちとは自身も含めたLINEグループなどで写真を共有。橋本桜佑投手(3年)は昨夏の甲子園で登板し、ガッツポーズしている写真を実家の玄関に飾っている。寮から帰省して見るたびに「甲子園に戻るぞという気になった」と発奮材料にした。中軸の永井仁之丞選手(2年)は、試合の打席でのスイングを連続写真でチェックすることがあり、「一連の動きが分かり、フォームの確認に役立つ」と感謝する。

マネジャーの田渕みあびさん(3年)らからは「一緒に戦ってほしい」と選手にも渡されている手作りのお守りを贈られ、市場さんは甲子園に持参している。選手たちの躍動を撮り続ける市場さんは「1試合でも、1枚でも多く選手の姿を残したい。もっと勝ち上がり、まだ撮ったことがない天理が全国制覇する瞬間を捉えたい」と意気込んでいる。

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