夏の高校野球県大会は11日、2回戦が始まり、県立敷島公園野球場など3球場で6試合が行われた。シード校の健大高崎、桐生第一、前橋商がコールド勝ちで3回戦進出を決める中、渋川青翠は終盤に追いつき、九回に武井快翔主将(3年)の決勝犠飛で西邑楽に逆転勝ちし、2020年の独自大会以来となる3回戦進出を果たした。
武井主将の決勝犠飛で逆転
2-2の同点で迎えた九回一死三塁。4番の武井主将は打席で「ここで決めて、チームに恩返しする」と燃えていた。相手の送球ミスで広げた好機に、武井主将が右翼への犠飛を放ち、試合を決めた。
チームは六回まで無安打に抑えられていたが、七回に初安打が生まれると、続く武井主将も死球でチャンスをつかむ。5番の福島凜椿選手(2年)の2点適時打で同点に追いつき、押せ押せムードの中で九回の逆転劇につなげた。
不登校を乗り越えた主将の軌跡
武井主将は中学1年の3月から朝が起きられなくなり、高校1年の途中まで不登校を経験。一時は退学も考えたというが、「入学を勧めてくれた清水哲也監督から受けた恩をあだで返したくない」と一念発起。カウンセラーのもとに通うなどして休まず登校するようになった。
野球部では昨春からレギュラーとして活躍し、新チーム発足後は先輩の推薦で主将に就任。当初は「不登校だった自分でいいのか」と不安になったが、メンバーの個性を大事にしながらチームを引っ張り、この日も序盤の劣勢で沈みがちなナインを鼓舞し続けた。
監督も感無量「野球が彼を作った」
武井主将は整列後、グラウンドにうずくまって「支えてくれた全ての人に恩返しができた」と男泣き。学校への復帰をサポートしてきた清水監督は「武井がこの場に立てていることが奇跡。野球が彼を作った」と感無量の様子で教え子を見つめた。



