今夏の全国高校野球選手権大会で、島根代表の立正大淞南は甲子園球場で初戦を戦い、長崎日大に1―15で敗れた。今大会で最多得点差での敗戦となったが、ナインは島根代表としての誇りを持って懸命に戦い、試合後にはスタンドの観衆から大きな拍手が送られた。
エース川口投手を中心に島根大会を制す
島根大会では、エース左腕の川口元投手を中心とする粘りの野球で、大社や石見智翠館など強豪を次々と撃破した。サイド気味のフォームから繰り出される緩急を織り交ぜた投球が武器の川口投手は、甲子園の切符を手にした後、「全国の強打者たちと対戦できることが楽しみでならない」と笑顔を見せた。
全国の壁は高く、最多得点差で敗戦
しかし、全国の壁は想像以上に高かった。初戦の長崎日大戦で、川口投手は二回に3点を先制され、六回にも連続適時打で3点を追加されてマウンドを譲った。島根大会では1イニングで3点以上取られたことがなかっただけに、驚きを隠せない展開となった。
太田主将の言葉に込められた決意
印象的だったのは、太田嵐主将がどの取材でも必ず口にしていた「島根の皆さんに感動と勇気を与えたい」との言葉だ。登録メンバー20人のうち、県出身者は1人だけ。太田主将自身も静岡県で生まれ育ったが、故郷を離れて野球に打ち込んできた彼らは、島根大会で戦った球児たちの思いを背負う決意に満ちていた。
島根大会から取材を続けて、立正大淞南や甲子園出場を果たせなかったチームの選手たちの思いを十分伝えることができたか分からない。ただ、試合後に喜びと悔しさ、そして感謝の気持ちを語る球児たちは、いずれも輝いていた。高校最後の夏を終え、それぞれ新たな道に進む球児たちには、これまで練習に励んできた誇りを胸に歩んでほしい。



