昨夏の悔しさが原動力に
岡山県の高校野球・美作の1番打者、中沢海空選手(3年)は、七回コールド負けで幕を閉じた最後の夏の試合で、六回に内野安打を放った。この打席に立つ直前、中沢選手の頭に浮かんだのは昨夏の苦い記憶だった。
美作は昨夏、創部初の8強進出を果たし、倉敷商と対戦。4点を追う九回一死、2年生ながら5番・二塁手として出場していた中沢選手に打席が回ったが、結果は三振。「最後に前にも飛ばせなかった」と無力感を味わい、先輩から「来年頑張れよ」と声をかけられると、涙が止まらなかったという。
毎日200本の素振り、多い日は1000本
この悔しさを糧に、中沢選手は「結果にこだわる」と決意。全体練習後、毎日200本の素振りを自らに課し、多い日には1000本も振り込んだ。勝負所で一本を出すための努力を日々重ねてきた。
迎えた最後の夏、六回の打席では「絶対に塁に出る」と意気込み、追い込まれてから変化球に食らいつき、無我夢中で走って内野安打を奪った。さらに盗塁も決め、リードオフマンの役割を果たした。守備では遊撃手として内野陣をまとめ、投げても2回を無失点に抑え、攻守でチームを支えた。
全力で戦い抜いた夏
試合は七回コールドで敗れたが、中沢選手は「全力でやって負けた。あっという間で楽しい高校野球だった」と語り、目に涙はなかった。昨夏の悔しさを乗り越え、成長した姿を見せた。



