徳島市のむつみスタジアムで11日から開幕する第108回全国高校野球選手権徳島大会において、徳島県高校野球連盟は熱中症対策を大幅に強化する。開会式と試合日を分離したほか、暑さ指数(WBGT)に基づく追加給水タイムを導入するなど、選手の健康と安全を最優先にした運営を目指す。
開会式と試合日の分離
7日に行われた開会式は、初めて午後4時に開始された。昨年までは午前9時30分から開会式が行われ、その後に試合が組まれていたため、式後に試合があるチームにとって負担が大きかった。今回の変更により、選手たちは開会式で体力を消耗することなく、試合に臨むことができる。
県高野連の鳴川幸恵会長は「全員の安全に配慮し、球児たちが今までやってきたことを悔いなく発揮できる環境を整えていく」と述べている。
試合スケジュールの工夫
1日に3試合がある日は、開始時間を午前9時、午前11時30分、午後3時に設定。第1試合と第2試合を30分早めることで、日中の暑い時間帯を可能な限り避けた。決勝戦は昨年と同じ午前10時から行われる。
給水・クーリングタイムの拡充
昨年と同様に、3回と7回の終了後に給水タイム、5回終了後のグラウンド整備時間に合わせて10分間のクーリングタイムを設定。さらに、1試合で攻守ともに3回まで使用できる30秒以内の伝令の際、昨年は投手のみに認められていた飲料とタオルの受け渡しを、今年は全選手に拡大した。
新しい取り組みとして、暑さ指数(WBGT)が31以上で、1イニングの守備時間が20分に達し、2アウトを取れていない場合に、2分間の追加給水タイムを設ける。また、熱中症の症状による治療は2回までを原則とし、3回目の治療が必要になった場合は選手交代とする。
関係者の声
開幕戦に臨む阿南高専の山田耕太郎監督は「開会式と分かれていることで、行進や炎天下での待機で、試合前に体力を消耗する懸念がなくなった」と評価。上田治龍主将も「給水の機会が増え、必要な場面で水分補給ができるのも安心」と語った。
観客・審判の安全対策
県高野連によると、昨年の大会中の救急搬送は観客も含めてゼロだった。一方で、日陰のない観客席では体調を崩す人もいたという。そのため、一塁側と三塁側の観客席入り口付近には、ミストファンに加えてスポットクーラーも設置。審判員の安全にも配慮し、従来の紺色だった帽子を、熱がこもりにくい白色に変更した。
大会概要
徳島大会には30校29チームが出場し、全試合がむつみスタジアムで行われる。順調に進めば27日に決勝戦が行われる。入場料は大人600円、高校生200円で、中学生以下は無料。優勝校は8月5日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する全国大会に出場する。



