智弁和歌山が社を振り切り5年ぶり初戦突破、井本選手が3安打1打点の活躍
智弁和歌山が社を振り切り5年ぶり初戦突破、井本選手が3安打1打点

第108回全国高校野球選手権大会第7日が11日に行われ、3年連続29度目出場の智弁和歌山(和歌山)が社(兵庫)に2-1で勝利し、優勝した2021年以来、5年ぶりの初戦突破を決めた。

井本選手のバットがチームを救う

智弁和歌山は二回に内野ゴロの間に先制すると、三回には井本陽太選手の犠飛で追加点を挙げた。甲子園初戦は難しいとされる中、伝統の強打で全国制覇3度の強豪も、直近3回はいずれも初戦敗退していた。1、2年でメンバーだった松本虎太郎主将は「苦い思い出しかない。とにかく1回戦に勝つ、とやってきた」と話す。

そんなベンチの重圧を2年生の3番・井本選手のバットが振り払った。一回二死から「逆方向への強い打球」を意識して3球目の速球を左前に打ち返し、チーム初安打。1点をリードした三回一死三塁では、2球目を中犠飛にして追加点を挙げた。六回と八回はいずれも初球を狙い打って右前打、中前打。「初球から思い切り振っていくのが自分の持ち味」と自信を見せた。

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克服した打撃不振

今夏の和歌山大会では、打率2割台前半と苦しんでいた。「3番が打てずに試合に負けたらどうしようとマイナス思考になっていた」と振り返る。甲子園初戦で社との対戦が決まると、球速を160キロに設定したマシンを通常より前に置いて打ち込んだ。

その成果で最速140キロ台後半の相手エースの速球も「あまり速く感じなかった」と3安打1打点の活躍。右翼の守備でも、八回にライナー性の飛球をダイビングキャッチして攻守で勝利に貢献した。

5年ぶりの初戦突破

課題の初戦を突破して「マイナスに考えず、勝つことだけをイメージしていた。ここで満足せず、次も積極的にいく」と井本選手。5年ぶりの優勝に向けて勢いがつく1勝となった。

松本虎太郎主将は「夏は初戦負けが続き、周りから言われることもあったので、初戦を突破できてよかった。この試合でいい感覚を持てたので、次戦も思う存分力を出し切りたい」と語った。

智弁和歌山のアルプスには、前年度のエース渡辺颯人さん(19)が応援に駆けつけた。渡辺さんはエースとして昨春の選抜大会に出場し、準優勝に導いた。現在は明治大野球部でプレーし、今でも後輩とはLINEなどでやりとりを続けている。自身も務めた副主将の黒川梨大郎選手(3年)に対しては「褒めるだけではなく厳しい言葉をかけることも必要」と助言したこともある。

夏は昨年まで出場3大会連続で初戦敗退だった。「3年生たちは夏に勝ててない悔しさがあると思う。最高の夏にしてほしい」とメガホンを握ってエールを送った。

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