7日に行われた有明(熊本)-立命館宇治(京都)の試合は九回、有明が2死満塁から4点を奪い、6-3で逆転勝ち。地響きのような大歓声が甲子園球場を揺らした。
被災地の思いを背負った有明ナイン
最大震度7の熊本地震から10日後。被災地の思いを背負った有明ナインを、球場全体が後押ししていた。
試合後、記者は立命館宇治ナインの取材に向かった。まるで、球場全体から〝圧〟を感じるようなゲームを、対戦相手として、どう受け止めたのか。高校生が背負うには重すぎるのではないか。最後まで奮闘した選手に、どうしても話を聞きたくなった。
「すべては自分の力不足」と語る2年生主将
2年生ながら主将を務める江原雅登捕手は「すべては自分の力不足」と言い切った。自らの悪送球も失点に絡んだだけに、「どれだけ〝アウェー〟であっても、やるべきことをしっかりやっていれば(自分の)エラーは出なかった。勝ち切れなかったのは自分の甘さ」と責任を負った。
隣では「最後の夏」を終えた3年生が泣き崩れる。江原主将は「自分が泣いてはいけない。チームのこれからのために前を向かないと」と一人涙をこらえ踏ん張った。
チームの未来を優先する姿
自分の涙より先にチームの未来を考える姿に心を打たれた。この日、甲子園の視線は有明に集まった。その中での勝利は、間違いなく被災地を勇気づける大きな一勝だった。それでも、その陰に敗戦を一人で背負い、涙をのんだ2年生主将がいたことを書き残したい。



