2024年に開催されたパリ五輪から2年が経過した。大会組織委員会が掲げた「持続可能性」と「多様性」の理念は、閉幕後もパリ市内の都市計画や社会政策に影響を与え続けている。
環境配慮の具体策とその後の展開
大会期間中、選手村には空調設備を設置せず、地熱冷暖房システムを採用するなど、環境負荷の低減を図った。この選手村は現在、一般向けの住宅として転用され、低所得者向けの住居も含まれている。
また、会場の約95%が既存施設や仮設施設で賄われ、新設された恒久施設はわずかだった。これらの施設は現在、地域スポーツクラブやコミュニティスペースとして利用されている。
多様性への取り組みと社会への波及
パラリンピックとの連携強化や、障害者スポーツへの関心の高まりも、大会後の変化の一つだ。市内の公共施設ではバリアフリー化が進み、障害者スポーツの普及イベントが定期的に開催されている。
さらに、大会を機に女性スポーツへの支援も拡大。女子スポーツの競技人口は増加傾向にあり、スポーツ界のジェンダー平等に向けた機運が高まっている。
レガシーの課題と今後の展望
一方で、大会関連の債務返済や、施設の維持管理費が財政負担となっているとの指摘もある。パリ市は今後も、大会のレガシーを生かした都市開発を進める方針だ。
パリ五輪のレガシーは、単なる大会の記憶ではなく、都市の持続可能な発展と社会包摂のモデルとして、今後の国際的なスポーツイベントの在り方にも影響を与えるとみられる。



