熊本地震の発生から1カ月が経過したが、熊本県宇城市と氷川町の約2000戸で断水が続いている。地震による断水は大半が数日で復旧したものの、一部地域では復旧が長引いている。
基幹管路の耐震適合率が全国平均を大きく下回る
国土交通省のまとめによると、重要性の高い基幹管路の耐震適合率は宇城市で7%、八代市で24%と、全国平均の42%を大きく下回る。また、設置から40年の基準を超えた経年化率は八代市で約22%、宇城市で約21%に上る。
今回の断水は、水源から浄水場への管路で接続部分の継手や管自体が破損したことが原因だ。復旧に時間がかかるのは、全国的に整備された大規模集約型水道の特性でもある。
「もぐらたたき状態」で復旧が難航
水圧をかけて物理的に水を届ける方式のため、1カ所だけ修復しても全体に水が届かない。通水しないと破損箇所が分からず、通水と修復を繰り返す「もぐらたたき状態」になりがちだという。
令和6年の能登半島地震では、断水解消に最大5カ月半を要した。基幹管路の耐震適合率は石川県輪島市で12.9%、珠洲市で36.2%だった。
耐震化と分散型への切り替えが課題
政府は地震後、全国で基幹管路の耐震化を進める方針を示した。しかし、水道事業体の財政基盤は脆弱だ。能登半島地震では一部地域の家庭に循環式浄水器が導入され、政府は耐震化と合わせ、集約型の維持が難しい地域では小規模分散型への切り替えを検討している。
水道事業に詳しいEYストラテジー・アンド・コンサルティングの福田健一郎パートナーは「人口と同じペースで水道設備は減らせない。地方の水道事業に投じられる資金には限界もある」と指摘。その上で「循環式浄水器など分散型の普及には住民の合意形成がハードルとなる。蛇口から浄水場の水が出てくるのが当然という認識を変える必要がある」と述べた。



