20日からは雑節という日本の暦で「土用」です。「土用の丑の日」がなじみ深いので夏のイメージが強いですが、本来は季節の変わり目を表す言葉で、立春・立夏・立秋・立冬のタイミングに合わせて年4回あります。昔の人は「体調を崩しやすい時期」として、栄養のあるものを食べて静かに過ごしていたといいます。
娘のプールデビュー
とはいえ、実際のこの時期は“変わり目”どころか、正に夏の暑さのピーク。冷たい飲み物や水遊びで涼をとりたくなりますね。先日、2歳になる娘が広島市中区にある中央公園ファミリープールで“プールデビュー”しました。子ども向けプールの底に描かれた魚やタコにおそるおそる「タッチ」しながら水に慣れていく様子がなんとも愛らしく、ウォータースライダーで大はしゃぎする笑顔には猛暑さえ吹き飛ぶほどでした。ファミリープールを訪れた日は、ちょうど娘の誕生日。滝にも果敢に挑戦していて成長を感じました。
追体験と記憶
そんな時に思い出したのが、職場の先輩に言われた言葉です。「子どもがいると、自分が子どもの頃に楽しかったことを追体験できるんよ」。そういえば、ファミリープールで遊ぶなんて、いつ以来のことでしょう。小学生の頃、地元の子ども会で訪れたのが最後だったような。6年生のお姉さんと一緒に流れるプールで遊んだこと、その後近くのプラネタリウムでノストラダムスの大予言を知っておびえたこと……。いろんな記憶がよみがえってきました。娘がいなければ、きっと再び来ることはなかったこの場所。娘の手を通して、子どもの頃の自分にもう一度会えたような、不思議な感覚でした。
歴史に幕
そんなファミリープールが、今年で1979年から続く歴史に幕を閉じることになりました。これまでの来場者は、約700万人。ここで過ごした夏を思い返す人は、おそらく少なくないはずです。土用は暦の上では“季節の変わり目”。そして今年は、「広島の夏の風物詩のひとつ」が役目を終える“節目”ともなりました。夏の景色は、これからも少しずつ形を変えてゆくのでしょう。ほんの少しの寂しさはありますが、新しく生まれる場所もまた、心に残る思い出をきっとたくさん届けてくれる――。そう願いながら、娘と過ごすかけがえのない夏の一日一日を丁寧に重ねていきたいと思います。



