原爆投下で生徒と教職員計137人が亡くなった広島県立広島商業高校(広島市中区)で20日、広商原爆慰霊祭が開かれ、元NHKアナウンサーで被爆体験家族伝承者の杉浦圭子さん(67)が初めて参列した。
杉浦さんは今年5月、同校の1年生310人に、前身である県立広島商業学校1年の時に爆心地から約2キロの校庭で被爆した父・清水良治さん(昨年93歳で死去)の体験を伝えた。当時同校2年だった母の兄・岡本利夏さんが建物疎開作業に向かう途中に被爆し、2日後に亡くなったことにも触れた。それが縁となって、慰霊祭に招かれた。
慰霊祭の様子
慰霊祭には卒業生ら約60人が参列。慰霊碑の前で黙祷した後、生徒代表の3年生・轟浩葉さんが追悼の言葉を述べ、3年生・加藤瑞姫さんが卒業生の詩人・峠三吉の「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる原爆詩「序」を朗読した。
杉浦さんは「これからという若さで命を絶たれた人たちの悔しさを後輩が受け継ぎ、平和を守っていこうとしていることに感銘を受けました」と話していた。
最高齢参列者の証言
参列者の最高齢は、被爆時4年生で、堺市から参加した藤野守さん(98)。勤労動員の夜勤を終えて爆心地から3キロの寄宿舎に着いたときに屋内で被爆し、一命を取り留めた。被爆60年の2005年に初めて慰霊祭に参列したことを契機に、証言活動を始めた。
「生き残った者として語り継ぐ義務がある。来られる限り慰霊祭に参加したい」と語った。



