タピオカの原料として知られるキャッサバ芋は、ジャガイモ、サツマイモと並ぶ「世界3大いも類」の一つとされる。熱帯原産だが、温暖化などで日本国内でも栽培が広がっている。このキャッサバ芋を活用し、耕作放棄地と日系外国人雇用の問題を同時に解決しようとするユニークな取り組みが愛知県豊橋市で進んでいる。
キャッサバ栽培の始まり
豊橋市郊外に点在する1.7ヘクタールの畑で、キャッサバ芋の栽培に取り組んでいるのは、地元の人材紹介会社「リードル」(愛知県岡崎市)だ。キャッサバに目をつけたきっかけは昨年2月のこと。リードルの杉浦巨樹社長は、悩んでいた。
「日系ブラジル人の人材が45歳ぐらいで派遣切りに遭うと、なかなか次の就職先が決まらない」
日系ブラジル人の就職難
リードルの主な業務は日系ブラジル人と企業のマッチングだ。愛知労働局の統計によると、県内には約4万5千人のブラジル人労働者がいる。多くは定住者や永住者の資格を持ち、就労制限の無い日系ブラジル人だが、杉浦さんは「来日当初から人材派遣を通して工場労働に従事することが多く、正規雇用に結びつかない」と説明する。
40代半ばからの再就職が難しい日系ブラジル人。紹介できる仕事先を開拓しようと、求職者にどんな仕事をやりたいかを聞いてみたところ、「ブラジルでは農業をやっていた。みんな地域でキャッサバを育てている。おいしいよ」という答えが返ってきた。
ソウルフードとしてのキャッサバ
「キャッサバ?」。聞いたことはあったが、よくは知らない。調べてみると世界では8億人の主食となっており、ブラジル人にとってはソウルフードだ。温暖化で日本でも栽培ができるようになっているという。
農業が盛んな愛知県には、耕作放棄地が多く存在する。キャッサバ栽培は、こうした遊休農地の有効活用と、日系ブラジル人の安定した雇用創出の両立を目指す試みだ。



