「毎日勉強しているのに、成績が上がらない」――。そんな悩みを抱える生徒や保護者に、ある質問を投げかけると、その理由がすぐにわかるという。『地頭力の正体』(7月発売)の著者で、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事の西岡壱誠氏が、「伸びる子」と「伸び悩む子」を分ける「動かせる知識」について解説する。
「勉強しても伸びない子」の共通点とは
塾や教育の現場では、保護者からよくこんな相談を受けるという。「うちの子、毎日ちゃんと机に向かっている。宿題もやっているし、参考書も読んでいる。それなのに、テストの点数がなかなか上がらない。どうすればいいでしょうか?」
西岡氏は、こうした相談を受けたとき、まずお子さんに一つの質問を投げかけるようにしている。この質問への反応を見るだけで、その子が「勉強しているのに伸びない」状態に陥っている本当の原因が見えてくるという。
30秒でわかる「伸びる子」と「伸び悩む子」の分岐点
西岡氏はまず、一問一答で場を温める。「植物が太陽の光エネルギーを利用して栄養源を生み出すことを、なんという?」という問いに、多くの子が「光合成」と答える。正解だ。しかし、問題はここから。西岡氏が本当に確かめたいのは、この一問一答が解けるかどうかではなく、「光合成」という単語を答えられた直後に投げる、次の本命の質問への反応である。
その本命質問とは、「光合成って、社会科で習った『産業革命』と何か関係ある?」というもの。この質問に、すぐに「ああ、そうだ! 光合成でできた石炭が産業革命で使われたんだ」と答えられる子が「伸びる子」であり、「え? 関係ないんじゃない?」と戸惑う子が「伸び悩む子」だという。
どの科目でも共通していること
西岡氏によれば、伸びる子は知識を「点」ではなく「線」でつなげて考えることができる。光合成と産業革命のように、一見無関係に見える事柄の関連性を見つける力こそが、本当の「頭のよさ」であり、成績向上の鍵となる。
一方、伸び悩む子は知識を「暗記」で終わらせてしまい、他の分野と結びつけることができない。その結果、応用問題や記述問題で得点できないという。
「繋げる力」を身につける、たった一つの方法
西岡氏が提唱するのが「連想マップ学習法」だ。これは、一つのテーマを中心に、関連する知識を放射状に書き出し、つながりを可視化する方法。3つのステップで実践できる。
- 中央にテーマを書く:例えば「光合成」と書く。
- 関連ワードを書き出す:日光、二酸化炭素、酸素、デンプン、葉緑体、化学反応式など。
- さらに連想を広げる:デンプンから「食料」、そこから「産業革命」へとつなげる。
この連想マップを作ることで、知識が有機的に結びつき、記憶の定着率が高まるという。
家庭でこの学習を促す「魔法の声かけ」
西岡氏は、家庭でできる効果的な声かけとして、「それ、前に習ったことと何か関係ある?」と聞くことを勧めている。この一言で、子どもは知識同士のつながりを意識するようになる。
「勉強しているのに成績が上がらない」と悩む前に、知識を「動かせる」状態にするためのこのシンプルな方法を試してみてはいかがだろうか。



