せっかくの夏休み、子どもに無駄にさせたくない。しかし、子どもが漫画ばかり読んでいて、なかなか本を読もうとしない。そんな悩みを抱える親は多い。文筆家でPOSPAM代表の尾石晴氏は、学習漫画を活用することで、子どもの読書習慣を自然に育むことができると語る。
知識が実感を伴うと、同じものの見え方が変わる
尾石氏は、予備知識なしに厳島神社を訪れても、ただ大きな鳥居があることしかわからないが、子ども自身が「何百年前にこういう歴史があったから、この鳥居が存在するんだ!」と知っていれば、同じものを見ていても意味合いが変わると指摘。知識が実感を伴うことで、旅行や体験がより深いものになると説明する。
尾石氏が注目するのは、学習漫画『世界ミラクル探検隊』シリーズ(『となりのきょうだい 世界ミラクル探検隊 伝説の遺せきへタイムトラベル!編』など)。歴史や地理など社会科を学ぶのに役立つ漫画で、子どもを飽きさせない工夫が随所にあるという。
「2人とも一気に読み通しており、子どもを飽きさせない工夫がある漫画だと思いました。世界の地理だけではなく、各国の特徴、文化、服装、食べ物などの周辺情報も含めていろいろな記述があるという点がよかったですね。また、クイズ形式だったり、間違い探しが含まれていたりするので、飽きずに読み進められたと思います」と尾石氏は評価する。
学習漫画は「読んで終わり」ではない
尾石氏は2025年夏、万博に行った体験を例に挙げる。『世界ミラクル探検隊』に出てくるヨルダンのパビリオンなどは見られたが、人が多くて全然見られなかった国もあった。それでも次男と『世界ミラクル探検隊』を読みながら、「あのパビリオンの国ってこういう特徴があるんだね」「こういう食べ物を食べている人たちなんだね」「世界地図でいうとこのへんだね」というような話になったという。
学習漫画は、ただ読んで完結するものではない。過去の旅行に照らし合わせて、手元に置いてある地球儀を見ながら、「こんなに遠くにあるなら、飛行機の移動に時間がかかって疲れるよね!」といった新たな気づきを得られるものだと尾石氏は強調する。
本を読んでいる子どもたちに何か質問すると、「読まされている感」が出て彼らは嫌がるが、旅行に行ったときに漫画で読んだことがある場所だと、それらが連動して記憶に残りやすいという。
子どもの日常に本を馴染ませるには
尾石氏は、漫画ばかりの子どもに本を読ませようと強制するのではなく、学習漫画をきっかけに、旅行や体験と結びつけることで、自然と読書に興味を持たせることができると提案する。夏休みは、その絶好の機会だ。



