東京都杉並区にある佼成学園中学校・高等学校(男子校)は、「行学二道」を校訓とし、グローバル教育・ICT教育・探究プログラムを3本柱としている。中高6年間の成長に合わせた独自カリキュラムを展開しており、特に探究学習に力を入れている。
探究学習の早期導入とその理念
同校は2018年度と早い時期に探究学習の専門部署を立ち上げ、中学からスタートさせた。探究学習推進部長の上野裕之先生は、「私たちが一番大切にしているのは、成果ではなく成長です。探究を通じてどういう学びがあったか、どういう力を伸ばせたかを生徒自身に気付いてもらう。探究学習は自分の特性や興味を探す手段だととらえています」と語る。
段階的な探究プログラム
成長のプロセスを重視した探究学習は、学年ごとに段階的に設計されている。
- 中学1年:紙飛行機の実験などを通じてデータ収集・処理の基礎を学び、夏の自然教室後、自然科学分野のテーマでオリジナルデータを取る探究活動を行う。
- 中学2年:社会課題や人文・社会学分野をテーマに学習を進める。
- 中学3年:テーマを自由に選択し、レポートなどの作品を作成する。
- 高校1年:探究的手法をレベルアップし、進路を視野に入れてテーマを選定する。
- 高校2年:ゼミ形式で個人テーマを探究し、論文を執筆する。ゼミは人文系、スポーツ系など分野ごとに開設され、生徒は個人の興味関心に沿って取り組む。
教員と卒業生のサポート体制
担当教員は、授業時間外にも生徒の相談に乗り、伴走者として探究を深める。卒業生がチューターとして探究活動の進め方や総合型選抜入試の相談に乗る制度も好評だ。
自分のテーマで学校外のコンテストに挑戦する生徒も多く、2025年度には「第11回高校生国際シンポジウム」本選に6名が出場し、スライド発表部門や人文科学・教育分野で最優秀賞など2名が受賞した。
さらに深く探究するためのプロフェッショナルゼミ
探究を極めたい生徒が集まるプロフェッショナルゼミ(プロゼミ)では、大学等の研究者と連携し、より深く探究を進めることも可能だ。上野先生は、「探究学習を通じて自分のやりたいこと、好きなことを発見し、探究のテーマと関連する学部を選択して、総合型選抜などで難関大学に進学する生徒もいます」と話す。
探究という体験と学びの積み重ねは、校訓の「行学二道」と重なる。同校の取り組みは、生徒の成長と未来への可能性を大きく広げている。



