子どもの語彙力を高めるには、親が「やばい」「きもい」といった粗いイ形容詞を避け、丁寧で細かな言葉遣いを心がけることが効果的だ。『「ことばで伝える」ができない子どもたち 誰が〈ことばの力〉を育てるのか』(日本実業出版社)を出したノンフィクション作家の石井光太氏が、誰にでも簡単にできる語彙力アップ術を紹介している。
親の言葉遣いが子どもの語彙に影響する
子どもが保育園や幼稚園の年長くらいの年齢になり、ある程度会話ができるようになったら、大人はなるべく細かな表現で子どもに語りかけるべきだという。まわりの大人が豊かな語彙を使うほど、子どもの語彙に良い影響を及ぼすためだ。
石井氏は「親が丁寧で細かな言葉遣いをする家で育った子は自然と同じようになりますが、親が乱暴な言葉で話す家で育った子はその真似をします」と指摘する。例えば動物園でクジャクを見て、親が「うわー、あの羽デカっ。マジやばいわ」と言っていたら、子どもも「でかい」「やばい」といった粗い言葉でしかクジャクを見ないし、認識しないだろうという。
「イ形容詞」を避けるだけで会話の質が変わる
石井氏が園と行なっているプロジェクトの中で推奨している方法は、会話の中で「イ形容詞」を使わないようにすることだ。イ形容詞とは「い」で終わる形容詞のことで、「おもしろい」「寒い」「大きい」といった言葉を指す。ただし、本書でいう大人が避けるべきイ形容詞とは、最近の若い人たちが頻繁に口にする粗い言葉――「やばい」「すごい」「怖い」「えぐい」「えもい」「きもい」といったものだ。
イ形容詞は会話で物事を表すのに便利な言葉だが、大雑把にしか表せないという欠点がある。なんでもかんでも粗いイ形容詞を用いて表現すると、会話の内容が雑になってしまう。だからこそ、子どもと豊かな語彙で会話をしたいなら、粗いイ形容詞を使うのを避ければいい。
どのようにすごいのか、どのようにえぐいのか、どのようにきもいのか。粗いイ形容詞を別の言葉に置き換えるだけで、ずっと解像度の高いコミュニケーションが取れるようになるという。



