熊本地震の避難所に全国から畳約800枚、い草の産地・熊本で支援
熊本地震避難所に畳約800枚、産地・熊本で支援

熊本地震で被災した避難所に、全国の畳店が畳を無償で送る支援が行われている。これまでに約800枚が届き、被災者の長引く避難生活の負担軽減が期待されている。

避難所に新しい畳、い草の香りが広がる

震度7を観測した熊本県宇城市の避難所・松橋東防災拠点センターに、今月11日、新しい畳50枚が到着した。東京や山梨、長崎から駆けつけた畳店の店主ら13人が、被災者が寝起きする部屋に畳を敷いていくと、い草の香りが広がった。

自宅は全室畳敷きという女性(83)は「心が落ち着きます」と笑顔を見せた。

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「5日で5000枚の約束」プロジェクト

これは、全国の約520の畳店が参加する被災地支援プロジェクト「5日で5000枚の約束。」の取り組みだ。神戸市で畳の製造・販売を手がける前田敏康さん(55)ら関西などの畳店約10社が、東日本大震災を受けて2013年に組織を作り、「発注から5日以内に最大約5000枚の畳を届ける」とのスローガンの下、翌14年から活動を本格化させた。

プロジェクトの実行委員会(事務局・東京)は、全国の約200自治体と、災害時の提供枚数などを定めた協定を結んでいる。災害が起きると現地の被害状況を確認し、全国の畳店に製造を発注して被災地に無償で送る。10年前の熊本地震では、約40の避難所に約6000枚を届けた。

産地の農家も支援に励まされる

宇城市は同実行委と協定を結んでいなかったが、プロジェクトを知っていた市内のい草農家畑野泰人さん(56)が仲介し、畳の提供が実現した。

このほか、熊本県内では八代、宇土両市の避難所にも今月3日から順次届けられている。枚数は18日時点で計784枚。同実行委事務局長で東京都足立区で畳店を営む小川崇さん(48)は「畳はい草の香りによるリラックス効果や湿度調整機能などがある。被災者の不安な気持ちを和らげられたらうれしい」と話す。前田さんも「再建した(被災者の)家に再び畳が敷かれるまで、力になりたい」と意気込んだ。

国内のい草の大半は熊本県で生産され、宇城市は一大産地として知られる。畑野さんの農場は、断水により苗の育成も危うくなっている。支援に対して「感謝してもしきれない」とし、「作業場が全壊して途方に暮れている仲間もいる。大変な状況だけど、必ず乗り越える」と再起を誓った。

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