東京大学の研究室の調査により、漫画や教科書を「まったく読まない」と答えた若者が5人に1人に上ることが分かった。さらに、大学などの講義内容を記録しない学生が1割いることも明らかになった。教育ジャーナリストでマザークエスト代表の中曽根陽子氏が、子どもたちのウェルビーイングを高めるために今できることを考察する。
「読む」だけでなく「書く」習慣も不足
今回の調査では、講義記録や予定管理だけでなく、日常的なメモやブログ・SNS・日記を書くことを含めて、読むことと書くことの関連性が解析された。その結果、「読む」習慣の少なさに加え、「書く」習慣の少なさも浮き彫りになった。
日常の予定を紙や電子機器に記入して管理することがない人が2割以上。「大学などの講義内容を記録することがない」と答えた人も1割いた。
背景に動画視聴やオンライン講義の増加
この背景について、酒井教授は「動画視聴やオンライン講義が増えてメモを取る習慣が身についておらず、その延長でリアルの講義でも動画を見るような感じでただ眺めているということが考えられます。授業に出ていれば出席点は付くかもしれませんが、頭には何も残っていないのではないでしょうか」と指摘する。
さらに「集中して授業を聞き、自分の頭を働かせながらノートに要約して書き留めるという作業がないと、知識として定着しないのではないかという切迫感がありました」と述べた。
「書かない=能力が低い」とは単純に言えない
もちろん、予定を頭の中で管理できる人や、講義を聞きながら頭の中で整理している人もいる。そのため、「書かない=能力が低い」と単純に言うことはできない。
一方、従来の研究では、異なるメディア使用(手書きとキーボード入力など)による記憶と理解の効果が行動実験で調べられてきたが、日常的に書くことと読むことの間の関連性については明らかにされていなかった。



