昭和女子中高の新校長・升野伸子氏「好きなことを突き詰める環境を」
昭和女子中高の新校長升野氏「好きなことを突き詰める環境を」

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校(東京都世田谷区)で今春、升野伸子氏が校長に就任した。升野校長は長年、対話的・協働的な学びを重視した授業開発に取り組んできた。その視点を生かしつつ、昭和女子大学との連携で生まれる豊かな教育的リソースを活用し、生徒の「英語力の強化」や「非認知能力の育成」に力を入れたいと語る。

豊かな教育リソースと高大連携の強み

升野校長は、東京大学経済学部を卒業後、1988年から都内の中高一貫校で社会科教員として勤務。在職中にお茶の水女子大学大学院を修了し、2011年から都内の国立大学附属中学校に勤務した。その間、二つの国立大学で教壇に立ち、昭和女子大学全学共通教育センター教授を経て、4月から現職に就いた。中央教育審議会ワーキンググループの一員として学習指導要領改訂にも携わっている。

校長就任以前は、社会科・公民科担当として、対話的・協働的な学びを重視した授業開発に取り組んだ。子供や女性の貧困、社会保障といったテーマについて、実際の事象や政策案などを教材とし、「なぜこうなっているのか」「自分はこうすべきと考える」などグループ討論を行う形だ。議論を通して、「多くの問題は個別にあるのでなく、互いに結びついている」と気付くプロセスを大切にしてきた。

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この学校の長所について、升野校長は「教育的リソースの圧倒的な豊かさ」だと話す。昭和女子大学が同じ敷地にあるため高大連携に有利で、総合学習などに大学の先生を招いたり、大学を訪問したりして、教科書にない専門的な学びに触れる機会を多く設けることができるという。

英語教育の強化と非認知能力の育成

校長として力を入れたいことの一つが、英語教育の強化と深化だ。本校にはネイティブの専任教員が6人いて、放課後に英語で対話できる「イングリッシュルーム」も設けられている。また、敷地内のインターナショナルスクールとの交流活動も行っている。こうした環境を活用したチャレンジへのモチベーションづくりに取り組みたいと語る。

具体的には、まず着実な基礎力の育成を挙げる。小学校への英語授業の導入に伴い、中学入学時の生徒の英語力にはバラツキが生じるようになった。近年は「ある程度話せるけれどスペリングが弱い」という生徒の増加など、教育課題の質の変化もある。こうした各生徒の「レディネス(学習の基盤となる準備状態)」を見極めた上での指導が必要だとしている。

英語教育のほかに、全ての学習の基となる「非認知能力」の育成にも力を入れる。自己肯定感や探究心、協調性、やり抜く力といったもので、本校は行事や部活動、生徒会活動が盛んで、大学や企業、地域社会と連携するプログラムも多く、こうした力を磨く機会はたくさんあるという。

その中で重視しているのが、「非認知能力」を支える「メタ認知力(自分の思考、行動を客観的に捉える能力)」の向上だ。サッカーに例えれば、ボールに全員で群がるのではなく、「次にどこにパスするか」「この先自分はどう動けばいいか」を見極める力だと説明する。学習においても「自分のできていること、できていないこと」を客観的に把握する能力が必要だとしている。

「好きなこと」を見つけるための機会提供

升野校長は、生徒に「好きなことを見つけましょう」と呼びかけている。その「好き」を突き詰める環境の一つとして、昭和女子大学への推薦権を保持したまま他大学を受験できる「併願制度」がある。進学面の安心材料をキープしながら、失敗を恐れず自分の可能性にチャレンジできるという。

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また、女子のキャリアで重要なのは「大学名」だけではないとし、自分が「好き」なこと、つまり「芯」をしっかり持っていれば、ライフステージが変わってもその環境を生かしつつ、キャリアとして育てることができると語る。本校はその「芯」を見いだすための「機会」をできるだけたくさん提供したいとしている。

受験生や保護者へのメッセージとして、「本校には、皆さんの『好き』を発見し、伸ばす場と機会がたくさんあります。ただし、漫然と座っていても力が伸びるわけではありませんので、『好きなことを見つけて頑張ろう』という思いを持って来てくださいね。学校を挙げて、皆さんの可能性を伸ばすお手伝いをします」と語った。