興味関心の土台をつくる学校改革の取り組み
「平和社会の繁栄に貢献できる人材の育成」を教育理念に掲げる佼成学園女子中学高等学校。英語教育に定評があり、高校の留学コースやスーパーグローバル(SG)コースは内容・レベル共に突出していることで知られています。しかし、同校は2020年から学校改革に着手し、チーム担任制の導入や中間試験の廃止などの先駆けとなってきました。生徒主体の校則見直しも進み、学校全体に明るくポジティブな空気が広がっています。
中間試験廃止で生まれた余裕が探究学習を活性化
二木宏明教頭兼教務部長は「中間試験を廃止したことで生まれた余裕で、探究学習に力を注ぐことができています。通常の授業にもプレゼンテーションやグループワークを取り入れることができました」と語ります。改革による変化の一つに、理系進路を選択する生徒の増加があります。理数科目の単位を増やしたことや、数学の授業を習熟度別にして細やかに対応していることが背景にあります。
中高6年間を通したサポートで理系志望者増加
中高6年間を通して、生徒が興味を持った分野を学校全体でサポートしてきたことも理系志望者の増加につながっています。例えば、連携協定を結んでいる東京都市大学との高大連携プログラム「オープンミッション」は、中3から参加可能です。たとえ内容を理解しきれなくても、「面白そう!」という思いを尊重しています。ロングホームルームなどを利用した探究学習は中1からスタート。連携する大学の教員の協力を得て、放課後を利用した探究型の特別講座を設置しています。
高校の探究活動:多様なコースで個性を伸ばす
高校の探究活動は、異文化をテーマに課題研究する留学コース、SGコースに加え、探究ゼミナール(特進コース)と企業探究クエスト(進学コース)で実施。ゼミナールは教員が総出で担当する手づくり感が特色です。近年は「英語×AI×メディアで情報発信」「高大連携DXゼミナール」といった理系・文系融合型のゼミに多くの生徒が集まっています。
「高1までに土台となるスキルを身に付け、高2では自分のテーマを追究していきます。そこでの教員の役割は、各テーマを専門とする大学とつなげること。あとは生徒が自力で論考をまとめます」と二木教頭。最終的に3月の「プレゼンテーションDAY」で中1から高2が成果を発表します。探究活動を進路選びのきっかけにする生徒も着実に増え、「英語の佼成」に「探究の佼成」の呼び名が加わっています。
多彩なプログラムと充実の学校データ
高大連携協定校の東京都市大学、東京工科大学から先生を招いて出張授業を行う「サイエンスDAY」、三大行事のひとつスポーツフェスタでは先生も一緒にリレーや綱引きを楽しみます。互いに意見を出し合いながらアイデアを磨き上げ、3月の「プレゼンテーションDAY」につなげていきます。探究に没頭できる多様な講座があり、中学生にもプレゼンの機会がたくさん用意されています。高校留学コースでは1年間のニュージーランド留学を実施し、提携校に通い研究活動も行います。高2特進コースの「探究ゼミナール」ではVRを体験し、興味関心に合わせた調査活動や論文作成を行います。
学校データ:東京都世田谷区給田2-1-1、創立1954年。交通は京王線「千歳烏山」駅から徒歩約5分、小田急線「千歳船橋」駅から京王バスで約15分「南水無」下車すぐ、小田急線「成城学園前」駅から小田急バスで約20分「千歳烏山駅」下車徒歩約5分。
英語教育の成果も魅力:未経験から英検1級へ
英語教育の成果も同校の魅力のひとつです。英語未経験者でも安心して学べる体制が整い、中学で基礎から学び始めた生徒の多くが3年次に英検2級へ到達。高校では1級取得者も少なくなく、中には1級に3度合格し励賞を受けた生徒もいます。中学グローバルコース開設を背景に、着実な積み重ねが高い到達点へとつながっています。



