福岡県教育委員会は、2027年度から県内の公立小中学校で学級編成の基準を現行の40人から35人に引き下げる方針を固めた。少子化に伴う児童生徒数の減少を背景に、よりきめ細かな指導を実現する狙いがある。段階的な導入を予定しており、2027年度に小学1年生から始め、順次学年を拡大する計画だ。
背景と目的
福岡県内の公立小中学校の児童生徒数は、少子化の影響で年々減少している。県教育委員会のまとめによると、2025年度の小学1年生の1学級当たりの平均人数は約28人で、すでに35人を下回っている。こうした状況を踏まえ、国が進める「35人学級」の流れに沿って、県としても正式に導入を決めた。県教育委員会の担当者は「児童一人ひとりに目が行き届く環境を整え、学習効果の向上やいじめの早期発見につなげたい」と述べている。
導入スケジュール
具体的なスケジュールとしては、2027年度に小学1年生を対象に35人学級を実施。その後、2028年度に小学2年生、2029年度に小学3年生と、毎年1学年ずつ拡大し、最終的には全学年で35人学級を目指す。中学校についても、2027年度から小学1年生の兄姉がいる学年など、一部の学年で先行導入を検討している。県教育委員会は「学校現場の準備状況や教員配置のバランスを考慮しながら、無理のない範囲で進めたい」としている。
教員確保が課題
一方で、35人学級の導入には教員の増員が不可欠だ。県教育委員会の試算では、全学年で35人学級を実現するには、現在より約600人の教員が必要となる。しかし、教員採用試験の志願者は減少傾向にあり、県内でも教員不足が深刻化している。県教育委員会は「教員の働き方改革と合わせて、採用活動の強化や処遇改善に取り組む必要がある」と課題を認めている。
他県の動き
35人学級は、全国的に広がりを見せている。文部科学省は2021年度から小学2年生までを対象に35人学級を導入し、2025年度からは小学5年生まで拡大する方針を示している。九州各県でも、福岡県のほか、佐賀県や長崎県などが導入を決めており、地域ごとの格差是正が期待されている。
保護者や現場の反応
福岡市の小学1年生の保護者は「子どもたち一人ひとりに先生が目を配りやすくなるのは良いことだ。ただ、教員の負担が増えないか心配」と話す。また、県内の小学校長は「少人数ならではの指導が可能になるが、教室の確保や教材の準備など、物理的な課題もある」と指摘する。県教育委員会は、こうした声を踏まえ、保護者や学校関係者への説明会を実施する方針だ。
今後の展望
福岡県教育委員会は、35人学級の導入を通じて、学力向上や不登校対策など、多様な教育課題の解決を図りたい考えだ。また、少子化が進む中で、学校の統廃合や適正配置についても、別途検討を進める方針を示している。県教育長は「子どもたちがより良い環境で学べるよう、総合的な教育施策を推進したい」と述べている。



