北海道に住む佐々木さん一家は、最寄りの中学受験塾まで約400kmという環境で、長女の杏さんを東京都内の私立中学入試に挑ませた。その過程では、移動時間の学習計画やオンライン講座の活用、家族内の議論など、多くの工夫と苦労があった。
移動時間の有効活用とオンライン授業
東京や札幌までの移動には数時間かかるため、その時間をどう使うかを事前に決めていた。杏さんの父・竜也さんは「塾に通っている子が勉強する時間に移動することも多く、親は焦りました。日中の移動はタブレットで学習したり、休憩したりとあらかじめ何をするか決めておきました。空港の会議室を借りてオンライン授業を受けたこともあります」と振り返る。
秋からのオンライン講座と家族の議論
秋からは通信教育に加え、早稲田アカデミーの学校対策オンライン講座に参加した。竜也さんは「志望校対策としては良かったのですが、授業スピードが速く、課題量も多くすべてをこなしきれないときもありました。今思えば、私がもっと問題を取捨選択すればよかったと思います」と語る。
中学受験をすることは夫婦で一致し、役割分担して取り組んだが、議論は毎月のように起きたという。母・恵さんは「お友達と遊びに行くときに、勉強があるから夫は3時間ぐらいで帰るよう言っていました。でも、私はもっと遊ばせてあげたかった。周囲に中受する子はいなく、遊ぶ時間や勉強量をめぐっては、よく議論になりました」と話す。
思春期の娘との向き合い方と第三者への相談
直前期には、杏さんが思春期にさしかかったこともあり、アドバイスを命令や干渉と受け止めることもあった。親子で煮詰まったときには、恵さんがストレス発散用に買ったサンドバッグが活躍した。竜也さんは「勉強は補えても、相談相手や、同じ目標を持つ友達の存在など、オンラインでは埋めにくいものもありました」と話す。
家庭で抱え込みすぎないように、竜也さんは通信教育や塾の講師に学習方法や進め方、受験スケジュールなどを相談した。「相談ですべてが解決したわけではありません。でも、優先順位や模試の成績の受け止めを、第三者の言葉で整理してもらうことは、親子の気持ちを落ち着かせるうえで、役立ちました」と語る。



