愛媛県教育委員会は、義務教育を十分に受けられなかった人や家族、支援者らを対象に、「夜間中学」のアンケート調査を始めた。国は各都道府県と政令市に少なくとも1校ずつの設置を目標に掲げるが、愛媛は四国で唯一、夜間中学がなく、調査結果を踏まえて今後の方向性を検討する。調査期間は来年1月15日まで。
夜間中学の設置状況と調査の背景
夜間中学は、家庭の事情や不登校などの理由で学ぶ機会を得られなかった人や外国籍の人らが夜間に授業を受けられ、中学卒業の資格が得られる制度。全国では35都道府県で設置されている。
県教委は2018年から、夜間学校の必要性を調査するため、関係者へのアンケートを実施しており、今回で9回目となる。これまで設置していない理由について、義務教育課の担当者は「一定の継続的な入学者が見込まれる状況ではなく、希望者の居住地も分散していたため」と説明する。
調査の対象と方法
調査の対象は、中学校を卒業していなかったり、卒業していても十分に学ぶことができなかったりした人と、その家族や友人、支援者ら。県内の公民館など400か所に2次元コードを記した用紙を配布しており、オンラインで回答する。
問い合わせは県教委義務教育課(089・912・2943)。
県民の認知度と必要性の認識
25年度に県民を対象に実施した県政課題調査では、夜間中学について、「全く知らなかった」が44.0%、「名前だけ聞いたことがあった」が31.2%に上り、認知度は低かった。一方、その必要性については、「強く感じる」が11.0%、「ある程度感じる」が53.3%となった。
入学希望者が少ない場合の設置に向けては、「人数次第で設置すべきだ」が33.0%で最も多かったが、「他の方法で対応すべきだ」とする意見も27.5%で続き、県教委は「ニーズや課題を丁寧に把握し、県民の理解を得られるよう検討したい」とする。