「I don't care.」というフレーズを、謙虚に「どちらでもかまいません」の意味で使った日本人留学生が、その後二度と週末のドライブに誘われなくなった――。関西学院大学国際教育・協力センター教授で英語教育が専門の高橋基治氏は、教科書で覚えた「正しい英語」だけではネイティブに響かない事例を紹介している。
「I don't care.」が相手を遠ざける理由
留学先で週末のドライブに誘われたある留学生は、行くかどうか迷いながら「I don't care.」と答えた。本人は「どちらでもかまいません」のつもりだったが、相手には「興味がない」「どうでもいい」という響きで伝わり、以後誘いが途絶えたという。
高橋氏によると、この表現は言い方によっては相手を遠ざけるニュアンスを持つ。謙虚に譲ったつもりでも、受け取る側は「自分と出かけたくないのだな」と解釈してしまう。
「I wanna ask you something.」のぶっきらぼうな響き
別の留学生は、指導教官の研究室を訪ねて「I wanna ask you something.」と切り出したところ、相手の表情が変わったという。「お聞きしたいことがあるのですが」のつもりだったが、実際は「あなたにちょっと聞きたいことがある」と、何かぶっきらぼうな響きになっていた可能性がある。
高橋氏は「文法や語彙といった『正しい学校英語』だけでは届かない領域がある」と指摘。相手や場面に応じた言葉づかいを日本語では無意識に選べるが、英語になると教科書の表現をそのまま使ってしまう学習者が多いという。
ネイティブの聞き取りに基づく実例
本稿は、高橋基治氏の著書『「教科書ぽくてちょっと変」を「ネイティヴみたいでなんかいい」に変える 教科書英語アップデートBOOK』(サンマーク出版)の一部を再編集したもの。英語圏のネイティブ・スピーカーへの聞き取りをもとに、日常会話で特に「損をしやすい」表現を挙げている。



