群馬、福島、新潟、栃木の4県にまたがる尾瀬国立公園で、群馬県や国などでつくる協議会は10日から、群馬側の入山者に「入域協力金」を任意で求める実証実験を始めた。目安は1人500円で、木道補修などの維持管理費に充てる。
実験の概要と目的
実験は、群馬県内3か所の入山口のうち、利用者が多い鳩待峠と大清水の2か所で実施する。10~19日は有人で、9月11~20日は無人で行い、協力率の違いを検証する。現金のほか、クレジットカードやQRコード決済も利用できるようにする。県は計約330万円が集まると見込む。
協議会は2028年度以降、他県も含む全域での導入を目指しているが、福島県は慎重姿勢を示している。
木道の維持管理費
同公園の木道は全長約60キロ。湿原にあるため傷みが早く、10年前後で更新する必要がある。群馬県の試算では、県管理分(約7キロ)だけで毎年1億円超の維持費がかかる。今回の協力金の詳しい使途は来年度の協議会で決めるといい、県管理の木道や登山道の整備、シカによる植物の食害対策への活用を想定している。
入山者の減少と今後の展望
環境省によると、尾瀬の入山者は1990年代の年間60万人超をピークに減少傾向で、コロナ禍で大きく落ち込んで以降は回復してきたが、以前の水準に戻っていない。群馬県尾瀬保全推進室の担当者は「協力金を活用して尾瀬の魅力を高め、より多くの人に来てもらいたい」と話している。
一方、福島県では観光業への影響を懸念する声が上がっており、現時点で協力金導入を検討していない。同県自然保護課は「群馬の実験結果を見ながら福島でも実現できるか考えたい」としている。



