栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅で発生した特急列車と作業員の接触事故を受け、国土交通省は21日、全国の地方運輸局などを通じて鉄軌道事業者に対し、線路内の作業における安全管理体制の再点検を促す通知を出した。
事故の概要と運輸安全委員会の指摘
運輸安全委員会は事故防止のため、作業前の確認事項として、列車の見張り役の配置場所、作業員の待避場所、列車が近づいてきたときの伝達手段などを挙げている。その上で、見張り役は見張り業務に専念し、監督役は見張りや待避が適切かを確認するよう求めている。
栃木県警や東武鉄道によると、接触したのは東武日光発浅草行きの「特急スペーシアX2号」。見張り役も含めた計10人態勢で軌道内の除草薬散布作業をしていたところ、新鹿沼駅に停車するため特急が時速約52キロで進入。10人のうち4人が巻き込まれた。
安全管理体制と見張り員の配置
東武鉄道では、線路内や付近の作業では必ず見張り員を置き、列車が近づいたら作業員に知らせるルールとなっている。今回は見張り員として3人が配置されていた。作業員の近くにいる「列車見張り員」、下り側と上り側に約315メートル離れた距離にある踏切付近に「中継見張り員」を配置し、これらの見張り員が合図をしあって、列車に現場の状況を伝えたり、作業員に待避の指示をしたりする計画だったという。
運転士は東武鉄道に対し、列車見張り員が進入可能の合図をしており、それを確認して警笛を鳴らして駅に進入したという趣旨の説明をしているという。実際には待避が完了していなかったため、作業員4人と接触した。待避していなかったか、待避した場所が不適切だったかは分からないという。



