東京のカラス激減、ゴミ対策で8割減…「サバの頭」置き土産の異変
東京のカラス激減、ゴミ対策で8割減の実態

東京のカラス、8割減少の衝撃

東京都が実施するカラスの個体数調査によると、2003年には3万6000羽を超えていたカラスが、2025年には約7500羽にまで減少した。実に5分の1近く、約8割の減少である。この劇的な変化の背景には、人間のゴミ対策があると動物行動学者の松原始氏(東京大学総合研究博物館・特任准教授)は指摘する。

かつては「カラス天国」だった東京

松原氏によれば、以前の東京はカラスにとって「天国」だった。繁華街の無数の飲食店から毎日排出されるゴミ袋には、人間用の柔らかくて栄養価の高い食べ物が詰まっていた。カラスが好むのは糖質、脂質、そしてタンパク質。フライドポテト、チキンナゲット、焼き芋、マヨネーズは特に大好物だ。松原氏は「肉バルの前で夢中になって鶏モモ肉を食べているカラスや、ケーキ屋の前で袋いっぱいのホイップクリームに嘴を突っ込んでいるカラスを見たことがある」と語る。

人間がカラスを「飼っていた」都市

都市部にカラスが多い理由は明快で、餌があるからだ。皮肉なことに、その餌の多くは人間が用意している。都市部でも果実や昆虫などの天然の餌資源は利用されるが、これも都市計画に従って作られた公園や街路樹が供給源である。松原氏は「言ってみれば、人間は都市でカラスを飼っていたのである」と表現する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

ゴミ対策の効果が絶大

東京都はカラス対策として毎年個体数調査を行っており、主要なねぐらに集まるカラスを数えることで増減のトレンドを把握している。減少の大きな理由はゴミ対策だと考えられる。東京都はカラスの駆除や巣の撤去に加え、ゴミネットや折りたたみ式ダストボックス導入の補助も実施。民間でもゴミネットが普及した。近年、集合住宅で導入が増えている金属製のダストボックスは特に威力を発揮している。

松原氏は自身の体験を次のように語る。「私の住んでいた通りは同じ管理会社のアパートが何軒もあったのだが、この会社がダストボックスを導入し、一斉に設置したことがある。途端、それまでその通りを餌場にしていたハシブトガラスが、姿を見せなくなったのである」。

「サバの頭」の置き土産が示すもの

こうした環境変化の中で、カラスの行動にも異変が生じている。オフィスの窓辺に「サバの頭」が置き土産として残されるといった事例が報告されており、カラスと人間の「共同生活」に新たな局面が訪れている。松原氏は「今日のごはんは焼き芋、ホイップクリームにナゲット。こんな日はいつまで続くかな?」と、カラスの視点から変化を諷刺している。

カラスの個体数減少は、単なる駆除の成果ではなく、人間のライフスタイルや廃棄物管理の変化が野生動物に与える影響を如実に示している。今後の東京で、カラスと人間がどのような関係を築いていくのか、注目される。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ