9月1日、改正道路交通法施行令の施行に伴い、住宅街などにある道幅の狭い「生活道路」の自動車の法定速度が、時速60キロから30キロに引き下げられる。県内では近年、事故発生件数全体はなだらかに減少しているが、狭い道路での死傷事故は一定の割合で起こっている。県警などは今回の改正が事故の抑止や被害の軽減につながりうるとして、制度の周知を図っている。
生活道路の定義と対象範囲
県警によると、生活道路とは中央線や中央分離帯などがない、比較的狭い道路のこと。国土交通省がまとめた道路統計年報によると、2024年3月末時点で県内の一般道の実延長は計約1万8500キロ・メートル。県警によると、そのうち今回の法定速度引き下げの対象になりうる幅員5.5メートル未満の道路は約7割を占める。
事故発生状況と県警の取り組み
昨年県内で発生した事故の件数は1993件(前年比132減)。このうち、幅員5.5メートル未満の道路で起きた事故は437件で、約22パーセントにあたる。割合は過去5年間、ほぼ横ばいで推移している。今年に入ってからは、7月末までに県内で1070件(速報値)の事故が発生。うち242件(同)が幅員5.5メートル未満の道路で起きた。20歳代2人、30歳代1人、70歳代1人の計4人が命を落とし、279人(同)が重軽傷を負った。
県警は「全国的にも、歩いているときや自転車に乗っているときに事故に遭い、死傷した人の割合が高い傾向がある」としている。来月以降も、「40キロ」の道路標識があるなど、最高速度の指定がある生活道路は従来通り、その最高速度が優先される。ドライバーは、標識や中央線、中央分離帯の有無などで適用される最高速度を見極める必要がある。
周知活動と今後の呼びかけ
生活道路の法定速度の引き下げは1960年の道交法施行以来、初めて。県警はこれまで、生活道路の法定速度引き下げに関するチラシを街頭で配ったり、電光掲示板やSNS、ホームページや新聞広告欄を活用したりするなどして、周知を図ってきた。
県警交通規制課の清松昇次席は「決められた速度を守ることはもちろん、道路状況に応じてさらに速度を落とすなど、思いやりを持った運転をしてほしい」と呼びかけている。



