ブラジル人に交通ルール指導 県警、外国人指導員が各地巡る
ブラジル人に交通ルール指導 県警、外国人指導員が各地巡る

静岡県内で暮らすブラジル人に交通ルールを正しく理解してもらおうと、県警はポルトガル語を話す「外国人交通安全教育指導員」と共に各地を巡り、指導を行っている。県内在住の外国人ではブラジル人が最も多く、交通事故の当事者となるケースも目立つからだ。県警交通企画課の鈴木英文管理官は「日本の交通ルールを正確に伝え、事故を減らしたい」と話す。

県内唯一の指導員が講習

県内唯一の外国人交通安全教育指導員、ハラダ・デビデ・サンドラ・ハルミさん(51)は、「止まれ STOP」と書かれた赤い三角の道路標識を掲げながら、「これを見たら一時停止してください」とポルトガル語で説明した。6月上旬に菊川市民総合体育館の会議室で開催された講習会では、ブラジル人学校に通う15~17歳の生徒約40人が、今年4月に施行された交通反則通告制度や基本的なルールについて学んだ。

ハラダさんによると、ブラジルでは車道は右側通行で、交差点や踏切の手前などで一時停止を義務づける「止まれ」の標識も八角形――。日本とブラジルの交通ルールは大きく異なる。

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講習を受けた男子生徒は、「一時停止の標識を守る。また、携帯を使いながら運転しないように気を付けたい」と話した。

指導員制度の背景

県警の外国人交通安全教育指導員制度は2007年に始まり、ハラダさんは19年9月に指導員となった。普段は、西部運転免許センターで外国人のための教材作成や窓口業務の補助などを担当。交通反則通告制度に関するポルトガル語のパンフレットや動画の字幕の制作にも携わった。

ハラダさんは「一人でも多くのブラジル人のもとへ駆けつけ、交通ルールを正しく理解してもらいたい」と語る。

事故の現状と今後の取り組み

県警によると、25年に発生した外国人に起因する事故は700件に上り、そのうち44.9%に当たる314件がブラジル人による事故だった。出入国在留管理庁によると、県内には同年末時点で13万2100人の外国人がおり、ブラジル人は3万1489人で最多。16年以降の10年間、ブラジル人に起因する事故が一番多い状態が続いている。

県内の製造業や建設業では、ブラジルのほか、ベトナムやインドネシア、ネパールなどから訪れる外国人労働者も増えており、県警は民間通訳人と連携し、ポルトガル語以外でも交通指導できる体制の整備を検討している。

免許教習もポルトガル語で

県内には、ブラジル人が運転免許を取得しやすいようにポルトガル語で教習を行う自動車学校もある。浜松市中央区の県セイブ自動車学校では、日系ブラジル人など4人の指導員がポルトガル語で教習を行っている。昨年の利用者約3000人のうち約340人がブラジル人だった。ポルトガル語の表記があるテキストもある。

増加する東南アジアの人々にも対応しようと、インドネシア人2人に研修を行い、今後教習を担当してもらう予定だという。同校の早川智文・常務取締役(50)は「日本に定住する外国人が増えている。浜松での生活に免許は必須。安全に免許を取れる場を提供していきたい」と話す。

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