欧州では、誕生から100年近く経つレトロ路面電車が今も現役で活躍している。日本では多くの都市から姿を消した「街のシンボル」が、欧州では今も健在だ。
ミラノの「ヴェントット」は2028年に誕生100周年
ミラノを象徴する路面電車「ヴェントット」は、2028年で誕生100周年を迎えるレトロ車両だ。車体や制御装置を更新しながら、今も現役で運行されている。
プラハでは旧型車両が「動く博物館」に
地元チェコの首都プラハでも、タトラT3型シリーズが多く運行されている。中には車体中央部分だけを低床化した更新車もあり、当面は運用を続ける予定だ。ただ、近年は新型のエアコン付き低床車が導入されており、ステップのある高床車は順次置き換えが進むとみられる。
一方でプラハは、トラムを観光資源としても活用している。タトラT3型以外にも数多くの旧型車両が動態保存され、市内を巡る観光路線で使用されている。もともとプラハで使われていた車両だけではなく、ほかの都市で用済みになった車両も譲り受けており、まさに「動く博物館」のようだ。
ドイツのデュヴァグ車両が今も現役
トラムを語る上で外せない老舗メーカーが、ドイツの「デュヴァグ(Duewag)」だ。デュヴァグは、トラムの高性能・近代化の先鞭をつけた旧西ドイツのメーカーとして知られる。1999年にシーメンスへ吸収合併され、その名は消えたが、元をたどれば19世紀設立の老舗メーカー「ユルディンゲン車両工場」が起源で、1981年に略称だったデュヴァグの名が正式社名となった。
戦後に西ドイツ国内で導入されたトラム車両の大半を同社製が占め、ドイツのトラムの代名詞的存在として知られる。他社でライセンス生産も行われた。デュヴァグが1950年代から60年代にかけて開発した新型ボギー車や連接車は、自家用車を凌駕すると言われた超高加減速性能を備え、「自動車交通の邪魔になる厄介者」とされていたトラムの負のイメージを一新。近年の低床車が誕生するまでの主力として各地で活躍した。
ドイツ・ヴュルツブルクでは、今もデュヴァグの車両が現役として活躍している。



