日本郵便は22日、福島県内の郵便局4局で児童書などの書籍の試行販売を始めた。街の書店が減少した地域で、人々が本に触れる機会を設けるのが目的だ。
南相馬市鹿島区の鹿島郵便局で開始式が行われ、高橋圭二局長は「鹿島区では震災を機に書店がなくなりさみしいものがあった。(本を)孫に送っていただければ、家族の絆も深まる」とあいさつした。
児童書に特化、老舗出版社が協力
鹿島郵便局では、局内のロビーに児童書など約120冊が並び、訪れた客が本を手に取っていた。試行販売期間は2027年3月末まで。今回は、書店がない地域で子どもたちの需要が大きいと言われる児童書に着目し、老舗出版社のポプラ社が協力した。
販売を行うのは鹿島郵便局のほか、同県内の小高郵便局(南相馬市小高区)、新地郵便局(新地町)、浪江郵便局(浪江町)の3局。売り上げ状況などを踏まえ、取り扱う書籍を増やすことや他地域への拡大を検討する。
全国の書店数は1万店割れ
紙の出版物の売れ行き不振が続く中、日本出版インフラセンターによると、全国の書店数は昨年度末に1万店を割った。全国で地域に書店がない「無書店自治体」は、全国の4分の1にのぼる。南相馬市は東日本大震災で大きな被害を受けたこともあり、20年ほど前と比べて、市内にある書店の数は7店舗から3店舗となり、鹿島区では書店がなくなっている。
郵便局網の維持にも寄与
日本郵便は書籍販売を通して地域住民の来局機会を増やし、郵便局網の維持も目指している。家族と訪れ、児童書を購入した鹿島小5年の男児(11)は「少し読んでみて、面白そうだったのを選んだ。夏休みの読書感想文に使いたい」と話していた。



